時事: 2011年アーカイブ

ウズベキスタン行きの冒頭に書いた優先順位の件について、多少思うことを書く。

この話、要するに文系の研究者に多い大学と研究者自身のインセンティブ構造の違いという問題ではあり、つまり大学としてはこの事業に参加することによってさまざまな直接間接の利益(安定した留学生の確保とか、研修予算の獲得とか)が'可能になっているのだが、当該大学に所属する研究者にわかりやすい形でその配分があるわけではない。ないわけでもなく、つまり留学生の減少によって定員充足率が下がれば予算がカットされて環境が悪化するというような影響関係はあるのだが、第一にそれは謝金や寄付金が個人に入りますというようなわかりやすい関係ではなく、第二に効率が悪い。

おおさか

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テレビを見ていたら8時ちょうどに速報が入ったのでああと思い出したが、どうも一部の人々にとって阿鼻叫喚という結果に終わったらしいところ個人的には驚くほどどうでもいい感が漂っている(挨拶)。

給与水準

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ハローワークの利用者には凶暴性があるから特別手当が出るそうなので我々大学教員についても検討してはどうかと思いました(挨拶)。いやあの学生のメンタルヘルスも昨今問題なのですが無実を訴える一面識もない人から本やパンフレットが届いたり集団ストーカーの被害にあっていると主張する人が相談相手を求めて研究棟の廊下をうろついたり。一応高い本とか設備とか人間とかが集まっている場所なのでもう少しセキュリティとかを考えてもらえないかと思うところはあるのです。まあ強化したらまっさきに破るのはきっと教員だが。ええと、「ハロワ職員 「失業者は凶暴性を有する者もあり」と特別手当」(NEWSポストセブン)の話。

人事院が公表している国家公務員(行政職)の今年度の平均年収は637万円。それに対して国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、民間サラリーマンの平均給与は平均412万円だ。

調査方法をきちんと見ればわかるんだけど、公務員の方は正確には行政職(一)の数字。つまり常勤の・民間で言えば正社員に当たる部分で、かつ守衛・用務員・自動車運転手など行政職(二)を含んでいない。それに対して国税庁の調査は民間事業所で給与所得を受けているもの全員が対象なので(*)、パート・アルバイトを含んでいる。数字の水準に違いがあって当たり前だよねえ。

中立性。

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バスに乗っていたら途中の停留所で運転手が交代をはじめて約5分経過(挨拶)。そして発車予定時間になったのかバックパックを運転席の右側外(というのは右側通行のこの国では乗降ドア側の乗客通路にということであるが)放置して運転を始める新運転手。ところで次の次の停留所あたりでシートベルトを締めたということはその間の法的状態について。

ところで非常によくわからないのであるが「調査前、知事に早期辞任促す 郷原氏、佐賀県議会で証言」(MSN産経ニュース)という話。

一般論

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公募情報が回ってきたなかに中央味噌研究所による委託研究・研究助成というのが載っており、あれかねもしこれをいただいたとすると味噌業界の御用学者とか呼ばれちゃうんだろうか(挨拶)。いやまあ「分野・味噌」だそうなので私がいただける見込みは皆無だと思うわけだが、それでも食文化的に八丁味噌の味噌汁でないと落ち着かないとか書くと「◯や・□キューのエア御用乙」とか言われちゃうんだろうかどきどき。

公務員住宅(おまけ2)

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チャイナタウンでバスを待っていたら白人警官2人がパトカー2台で乗り付けてきてベンチに座っていた黒人のおいちゃんに何やら質問していると思ったら立たせて後ろ手に手錠かけてパトカーのボンネットに伏せさせて持ち物検査始めたよ(挨拶)。昨日はいきなり「よう3ドル持ってるか、3ドルくれよ3ドル」とかわめく乗客が後ろの方にいて運転手さんが無線で支援を求めはじめたしやべえバス面白い

ところで待遇を悪くしても公務員は辞めないとか良い人材が民間に行くのはいいこととか言っている人がおり、あれだな幸せな人だなと思う。どういうことかというと、

公務員住宅(おまけ1)

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なんかここ数日報道がアマンダ・ノックス事件(イタリア留学中にルームメイトの殺害容疑で逮捕・訴追され、一審で有罪となっていた女性が控訴審で(主要部分につき)無罪、釈放になった事例)で盛り上がっており、いやまあシアトルは彼女の地元なのでそうかなと思うところもあるのだが、「イタリアの司法はこんなにこんなにアメリカと違うんですよ」「まあこわい」みたいな報道が続いていてなあ君ら二週間くらい前はぜんぜん違うこと言ってなかったか(ジョージア州におけるTroy Davis死刑執行の件(Wikipedia英語版)ね)。正直イタリアの司法にもそういい印象は持っていないが(印象以上のものはないが)アメリカがどうこう言う資格があるのかねえ(挨拶)。

さて前々回の公務員住宅に関する件への反応について、多少補足する。まず元の記事の冒頭に「まあ正直最終的な賛否についてはいろいろと意見があろうなという感じなのだが「問題がある」と主張する側がダメなことをいろいろ言っているように思うので、その点だけ指摘しておこう」(強調原文ママ)と明記してあるように、私としては今回問題になった公務員住宅が必要であるという主張はしていない。今回報道の内容やそこに出てきた仕分け人の主張がダメであるということで、ではどうするのが正しいかということは別途議論しなくてはいけないことになる(この点を読み落としている方々は多いようである)。たとえば震災復興に予算が必要なときなので優先順位は低いんじゃないかという議論はあり得るだろうし、建て替えないことによって無駄を発生させるよりはここで投資したほうが良いという意見もあろう。

公務員住宅(2)

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さて話を戻して同記事でもうひとつ、これは間違いというよりはもっと調べたらどうかねえという話なんだけど思ったのは、「転勤が多いというのは民間も同じで、理由にはならない」という部分。これはねえ、まず第一に同じ公務員ないし官僚といってもかなり省庁・職種による差が大きいという点を認識しているのかという気がする。

公務員住宅(1)

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念のために最初に言うと私が現在住んでいるのは民間の賃貸集合住宅ですし就職以降官舎に入っていたことはありませんので本件に関する利害関係はありません(挨拶)。さて。

何かというと公務員住宅に関する件で、まあ正直最終的な賛否についてはいろいろと意見があろうなという感じなのだが「問題がある」と主張する側がダメなことをいろいろ言っているように思うので、その点だけ指摘しておこうということ(まあ仕分け人がどうこう言っている段階でその程度の水準に決まってるじゃないかという話も)。

新司法試験(2・完)

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さて前回「表面的な数字」と書いたのにも多少背景があって、まあ以前にも合格者数ランキングを各社が報道しては「学年定員がぜんぜん違うじゃん」とツッコまれていたりしたわけですが、合格率にも実は結構お化粧があるのよねというお話。

数年前に新司法試験の結果分析をやっていて気付いたことなんだけど、(1)学年定員・(2)志願者数(受験しますよ、という届を出した人数)・(3)(実際の)受験者数に大きな違いのあるLSというのがところどころ見受けられたのですね。基本的にこれは(1)=(2)=(3)になるのが正しい数字で、もちろん前年度以前の不合格者が再受験するから(1)<(2)になるのですが、しかし(2)と(3)に大きな乖離があるのはおかしい。ところが一部LSでは、(3)が(2)の60%にまで減少している。これは何か、というのが問題だったわけです。

新司法試験(1)

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今年の結果が8日に公表されてましたね。まあ本学は合格者数・合格率という表面的な数字で見ても10位前後という位置に安定できているのでまずは一安心なのですが(なお私は合格率に関係のあるようなことを何もしていないので私の功績ではない)、全体的には合格者数2063人、合格率23.5%で過去最悪を更新という感じでえらいことになっておるという報道です。でまあ、確かにそれはそうなんだけどな、ということを多少。

夏の終わりに

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採点が済んだら夏が終わりかけている(慨嘆)。いや私学とか大規模国立の先生に聞かれたら甘えるなと言われるのは確実だと思うのですがしかし学部3科目とLSと大学院の留学生科目を合わせると600通くらいあってですな(なお約30通は英語)。

なにやら民主党がついに代表選挙をするらしく最有力は前原氏という話も出ていますがいいんじゃないの前原さんで。国民が主権者であることの意味を噛みしめるためにはふさわしい人選じゃないですかね。彼に対する私の評価については前に書いたこともありますが、不正献金が問題ではなくその前後の対処から政治家として重職に就く能力が欠如していることが明らかになっているよねというものです。政府の状態の影響を強く受ける立場に私自身もいますので(内部の人よりはマシでしょうが)正直冷静に見ていられる状況でもないのですが、まあ仕方ないよね。

今日のスケジュール:会議+会議+会議+会議=⊂⌒~⊃。Д。)⊃(挨拶)。午後の会議二件が両方とも山の上で、一時間弱あいだが空いてるんだけど研究室までの一往復をする気力がなく、近場の学内のカフェで沈没する今日この頃。昨日は授業の間の30分に別のカフェで沈んでたな。まあ法人化以来学内のこういう環境は確実に改善されていてありがたいことです。スタバもあるしなウチ。

というわけでコメントにも書かれた通り、科研費については例年4月に交付金額が内定したという通知があり、交付申請を経て7月に研究者の所属機関に全額の支払いがあるのが通例であるところ、7月1日付けで「とりあえず7割しか払えません」という通知があった件について。しかも「残りについては減額するかも」という留保付きです。あっはっは、どないせえいうねん

一事不再議

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周知のとおり衆議院における菅内閣不信任決議案がすでに否決されているところ、まあその後の展開もあって一事不再議はあくまで慣例に過ぎないので今会期中に再提出することあり得べしと石破茂・自民党政調会長が衆院予算委員会の審議で言い出したり(7/7)、提出されれば衆院が審議しないことは法的にあり得ないと西岡武夫・参院議長が発言したりしている(「西岡参院議長「不信任再提出は可能」」MSN産経ニュース)ようである。いやあの後者についてはあなた公務員給与の削減法案について衆院で可決されても参院では審議しないとか言ってなかったですか(「西岡参院議長、公務員給与削減法案「参院では委員会付託しない」」MSN産経ニュース)とかツッコみたいところもあるのだがまあそれはそれとして、しかしあんまりスジの良い議論ではないなあと思う。

あとからひとこと

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雪斎先生が「政治家に会ったら、尋ねてみれば興味深い。 「貴方は、政治家として誰に憧れ、誰に倣おうとしているのか」。」という話を書いていて大変に得心したのだが、さて「好きな政治家は馮道とシュペーアです」とかいう私のようなイキモノはどういう扱いになるのであろうか(挨拶)。不吉ですかそうですかまあ政治家じゃないからいいよね。

さてWebronzaのシノドス・ジャーナルに「正当性と正統性」「予測可能性と統治の正統性」という二篇の続き物を書いた。α-Synodosにも載ったのではないかと思う。なんか他の皆さんが震災対応モードなのに対してとてつもなく呑気なことを書いているような気もするのだが、まあ法哲学者の価値はそのあたりにあると開き直っておきたい。で、当該記事では最終的に現政権下で世の中がいかに予見可能性を欠くようになっているかという話をしているのだが、その一例として国立大学がどのような事態になっているかということを多少触れておこうと思う。

続・天下り?

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前のエントリの内容について、あとからひとこと。

味村氏の事例を結論的にどう考えるかということについては、いろいろな意見があろうかと思う。私が述べたような事実関係であれば問題ないと思う人もいれば「李下に冠を正さず」だと言う人もいるだろうし、それでも問題だと思う人もいるだろう。あるいは、味村氏の事例は納得したが他に問題のあるケースがあるのではと思う人もいよう。それは第一義的には価値判断の問題なので、それで構わないと思う。問題はしかし、多様な価値基準を持った人々がいるにもかかわらず・正確な事実関係の判断を欠く情報が提供されたら結論が歪んでしまうという点にある。

実際、たとえば「ある被告人の無罪判決を書いた裁判官がその直後に退官し、当該被告人の経営する会社の取締役に迎えられた」のであれば当該判決が正当なものか不当だという疑いのあるものかという点はおいておいても大問題だと思う人がいたとして(私自身はこの感覚に近い)、My News Japanの書いた内容を鵜呑みにすれば味村氏の事例は問題だという結論に至りそうである。しかし私が書いたようにより正確と思われる事実関係を前提にすればそうは思わないかもしれない。

つまり、価値観が多様だからこそその基礎となる情報はできるだけ正確なものを提供することが求められるのだし、さまざまな可能性の中から「これが事実だ」という判断をすることがどこかで要求されたとしたらどのような根拠で・どのような基準からそれを事実として選択したのかということを明らかにしておく必要があるわけである。かつ。その際に現時点での・自分自身の知見ではそれを十分に明らかにすることができないと考えたような場合にはそのこと自体を正直に書いておくか、わかるまで調べるか、わかる人に聞きに行く必要があるだろう。というかジャーナリズムの長所というのは基本的にこの調べ物と聞きこみであり、というのはほとんどの場合に彼ら自身は専門家でも何でもないからであるが、それすらせずに不正確な情報を垂れ流すような行動は専門的な観点からもジャーナリスティックな観点からもダメとしか言いようがないということになると思うのだがどうか。

天下り?

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なんかその、原発を容認する最高裁判決を書いた判事が東芝に天下っていたとか主張している人がおり、どうも震源はこのあたり(My news Japan)なのかな。全文は登録しないと読めないとのことなのですべては確認していないが、事実関係に根本的な誤りがあるとは言えないもののその評価がおかしいように思われる。なので、情報全体を見てなおこれが天下りだとか癒着だとか考えるならそれはそういう価値判断もあるかもしれないがどうせtwitterとかで結論だけがばらまかれて独り歩きするのだろうなあと思うと、いつものデマ増幅の構造と同じだなと思う。あるいは東大の寄附講座の事例と同じね。あれも計算方法とかをすべて踏まえてなおそのような産学連携関係は許せないと思うならそれはそういう立場もありだとは思うが、基本的にはそのあたりの背景を踏まえずに「5億円5億円」と叫んで回るあほおを増やしただけだったから無能かデマゴーグかという話になったわけですな。

さて、で今回の話。問題になっているのは味村治氏なのだが、まず氏が(1)検察官出身であり、(2)最高裁裁判官としての在任中に「四国電力伊方1号炉訴訟」と「東京電力福島第二原発1号炉訴訟」に関与し、(3)退任後に東芝の社外監査役を務めたという点に誤りがあるわけではない。しかしよく見るとどの要素も嘘とは言えないが正しく判断するのに十分な情報を含んでもいないことがわかる。順に検討していこう。

続・風評被害?

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「風評被害?」で書いた件について多少補足を。私自身はこの問題については本当にアンヴィヴァレントで、もちろん自分自身が高等教育研究予算からお給料をいただいている以上できるだけそこが小さくならないといいなあという個人的な希望はあるのだがそれを置いておいても、一方でやはり大規模な被災者救援と復興のために予算を使わなくてはならないことを考えれば教育研究を犠牲にしてもやむを得ないのではないかと思うところもあり、ここで予算を削減した余波が日本経済のシュリンクとか技術力低下という形で長期間残ってしまうことを考えれば戦略的投資として維持するべきではないかという気もする。「高等教育研究予算」とか一括して論じるからいけないので、科研費や研究助成のようにきちんと研究している人の研究に使われている予算は維持し、「大学」と名前が付いているだけでそれにふさわしい人材養成とかをやっていないところの予算とか私学助成とかを削減するといいのではないかと割とえげつないことを考えたりもする。

風評被害?

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東日本大震災後に、海外の大学や研究機関から東京大や東北大の研究者らにヘッドハンティングを働き掛けるメールが相次いで届いていることが7日、分かった。(......)日本での研究活動に制約があると決めつけた「風評被害」だとして不快感を表明した。
東北大などの相当数の優れた研究者らの元に海外から「被災で大変で研究活動ができないだろうから、これを機に移ってきたらどうか」などと「海外移籍」を持ちかける話が相次いでいるという。(......)日本での研究活動が震災で制約を受けたとする前提に立った内容になっており「実態とは異なる風評(被害)だ」(鈴木副大臣)と不快感を表明。「正確な情報を発信し、研究施設の復旧に取り組み、正面から対応したい」と震災に乗じた"日本の頭脳流出"への警戒感を示した。(「震災乗じ「海外移籍話」、東北大研究者らにメール 「研究できない」は風評」MSN産経ニュース)

いや東北だけじゃなくて都内についても複数のスジから理系の研究が止まっているという話は聞いてますが。もちろん「理系」といってもいろいろあるので理論数学の人とかは関係ないのかもしれないけど、建物の安全確認とかそういう問題だけじゃなくていつ停電になるかわからないからってのがあるみたいでしたね。実験の最中に突然停電したら機器の故障とか、最悪の場合には事故に発展しかねないわけで(まあ本当に問題になる機器は無停電電源でカバーしてるでしょうけど)。

だからまあ、現時点で制約を受けているというのは事実ではないかと思う。もちろんそれが短期的な問題に留まるのであれば、ヨソの大学に移籍して研究室を一から立ち上げて研究環境も整備してというのにかかる手間に比べれば小さいと判断する人が多いと思うけど、本当にそうなのか疑問に思う人も増えてくるんじゃないかな。

寄付講座(5)

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さて「寄付講座(1)」のエントリに次のようなコメントが付いていたことを発見したわけである。名前がhogehogeさん、メイルアドレスがおそらく到達性のないものだったこともあり、スパム扱いされてフィルタに引っかかっていたのだが、なんかこれ、変なコメントだねえ。

原文については上記エントリを参照していただくとして、順次検討していく。

寄付講座(4)

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おまけの話を書く。「寄付講座の教員は客員教授・客員准教授」というのは(東大の場合)真であるが、「客員教授・客員准教授は寄付講座の教員」というのは正しくない。もともと何もつかない「教授・准教授」というのがおり、日本の場合は基本的に大学の経費で雇用され・任期なし(定年はある)であった。国立大学の法人化や産学連携の強化、外部資金依存の進行などによって従来の典型的な教員とは違うタイプの人々が大学で働くようになり、しかし普通の人たちとは違うよということを明示するためになにか付けることにしたという経緯なので、正直いろいろなタイプの例外に応じていろいろな名称が使われている。しかし、まあ通り相場としてはこんな感じの使い分け、というのを多少。

寄付講座(3)

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寄付講座に関する二つのエントリについて。こういう反応が出るかなあと思ったら案の定ではあったので、少し書く。はてなブックマークの話(12)な。まずso_kb氏による、これはまともな指摘。

影響力の大きさは額の大小ではなく、研究費用に占める額の割合と、資金供出元の多様性(異なる寄付元がありうるか。寡占状況にある業界では選択肢が少ないはず)が効いてくるのでは。

寄付講座(2)

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それにそもそも、「寄付講座だけで、東電は東大に5億円も流し込んでいる」というのが虚偽に近い。東大の公表している「寄付講座・寄付研究部門設置調」によれば、東京電力が寄付している講座は以下の通り(すべて工学研究科、最後のもののみ生産技術研究所と共同)。

  • 建築環境エネルギー計画学 H21〜23 4000万円 (東電単独)
  • 都市持続再生学 H19〜24 1億5600万円 (東電含む14社)
  • ユビキタスパワーネットワーク寄付講座 H20〜25 1億5000万円 (東電・JR東日本・東芝)
  • 核燃料サイクル社会工学 H20〜25 1億5000万円 (東電単独)
  • 低炭素社会実現のためのエネルギー工学(東京電力)寄付研究ユニット H22〜25 1億0500万円 (東電単独)

ここに出てくる数字を全部足すと6億とんで100万円になる。なぜ純丘氏が「6億円」と書かなかったかはよく分からないが、実は最後のものは正確には寄付講座ではなく寄付研究部門なので、足さなかったのかもしれない。講座と研究部門でどう違うかというと、上掲の「東京大学寄附講座等要項」を見ればわかる通り、学部や大学院に置かれるのが「寄付講座」、附置研究所や全学センターに置かれるのが「寄付研究部門」である。つまり横に並んでいるのが講座か研究部門かで名称を分けただけで中身は同じものであり、現に同規定でも「寄付講座及び寄付研究部門(以下「寄付講座等」という。)」(第1)として完全に同じ扱いとなっている。にもかかわらず計算に入っていないのだが、それが特別の理由によるものか純丘氏の能力的問題なのかは詳らかにしない。

寄付講座(1)

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あのねえ、大学がカネもらったら教員がそこに不利なこと言わなくなるんだったら私が朝日新聞の悪口書いて無事でいられるわけないじゃん。名古屋大学は朝日新聞名古屋支社からご支援いただいて「現代環境学/ジャーナリズムから学ぶ」という講義を設置してるんですよ? なにかというと純丘曜彰という人が「東電のカネに汚染した東大に騙されるな!」(INSIGHT NOW!)とか書いている件についてですが。

純丘氏の主張の中心は、(1) 寄付講座だけで、東京電力から東京大学の大学院工学研究科に5億円が流れ込んでいる。(2) これは東大に設置された全86寄付講座でも突出した金額である。(3) ゆえに「東電のカネに汚染した東大に騙されるな!」ということになる。(3)は本来「カネに汚染された」になるべきではないかと思われるが、何らかの文飾なのか澄丘氏の能力的問題なのかは詳らかにしない。

続々・更新おまけ

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ところでこれは自己弁護ですよ? The Times (March 23 2011)に掲載された、同紙日本駐在のRichard Lloyd Parry氏の記事"I've seen devastation like this just once before - in Ache"から。日記形式で11日から22日までの取材について書いたもののうち、11日、地震が起きた日の内容です。

I am in my office on the 10th floor when the building begins to shake violently, the worst earthquake I have experienced in 16 years in Japan. But central Tokyo has suffered no serious damage, and the early reports from the north are vague. I am interviewed by CNN, and I rather grandly dismiss the fears of an anchor lady. "My hunch is that there will be scores, perhaps low hundreds of dead, but no more," I write on Twitter. "Not megadeath."
Late at night, the television shows helicopter footage of the tsunami, including the town of Kesennuma, where the sea and the town are on fire, burning uncontrollably.
(抄訳) ビルが暴力的に揺れ始めたとき、私は10階のオフィスにいた。私が日本で過ごした16年間で最悪の地震だ。しかし東京の中心に深刻な被害はないし、北部からの初期の報告は曖昧だ。CNNにインタビューされて私は、女性キャスターが感じている恐怖をやや格好をつけて否定した。「私の勘では、死者は数百人になるが、それ以上ではない」私はtwitterに書いた。「大量死は生じない」。/夜遅く、テレビは津波のヘリコプター映像を流し始めた。コントロールを超えて燃え上がる火事に街と海とがさらされている気仙沼も映った。

続々・更新

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なんかまったくインターネット接続環境が改善できないのでもういいかなと諦めかけている(この話の詳しい内容はまた書く)。さて地震・津波から1週間がたち、こちらで確認できる状況でも死者・行方不明者の規模が1万5千人を越えている。前エントリで私が書いたことは呑気もいいところだったことがはっきりしたわけで、不明を恥じるしかない。書いた通り揺れを体感しているわけでもなく、BBCのニュース映像は見たがスケールがわからないのでどこか数箇所では津波で車が流されるとか、倉庫が潰されるとかいう被害が出たのだろうなあと思っており、さらに後の報道で被害エリアの地図などを見てようやく映像のような被害が例外的な地点でではなくかなり広範囲に生じたことが分かってあわてたという経緯があるのだが、まあ言い訳である。ある方から、こういう大規模な災害では被害者の規模は1週間くらいしないとわからないものだと指摘された。その通りであろう。紅氏がコメントで言及しているとおり、その時点ではまだ被害が発生したことすら連絡できない状況がかなりあったということであろうかと思われる。

続更新

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とここまで書いたところで用事があって出かけた先で「お前日本人か、日本でなにが起きたか知っているか」と聞かれ、知らないと答えたら親切にテレビのところまで連れて行ってニュースを見せてくれた。仙台の地震と津波の件、BBCでもトップニュースになっていてえらいことである。

分限と懲戒

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前原外務大臣が辞任したそうである。長年の支持者であった在日韓国人の焼肉店経営者から献金を受け取っていたのが政治資金規正法に違反するということだが、そのような人間関係を背景に・5年間で合計20万円という程度の金額をもらったことが辞任に値するような悪いことか、と聞かれれば戸惑わないではない。前原氏自身も「献金によって外相の職務に影響を受けたことはない」(asahi.com)と述べたようだが、確かに国会議員が動く規模の金額ではないだろうし、そもそも言われているような関係があればお金など渡さなくても前原氏が動くことはあったかもしれない。そして、そのような人間関係を介した影響力を禁止する法律はないし、禁止することもできないだろう。大臣が自らの出処進退について判断したことなのでこのような表現がそのままあてはまるわけではないのだが、しかし懲戒免職に相当するような「悪い」振る舞いであったかは確かに疑問で、問題はそこにはないよなと思った。つまりこれって、どちらかと言うと分限処分の問題だろと。

選挙

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もはや名古屋市民ではなくなったので半分はどうでもいいのですが名古屋市長選・愛知県知事選・市議会解散住民投票のトリプルがあり、要するに河村たかし大勝利ということでよいようです。

客層の問題

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別件でこちょこちょと検索していたら、昨年の11月に朝日新聞に書いた岡崎市立図書館問題に関する記事に対して高木浩光氏がなにやら書いていたことをいまさらに発見する。でまあその、変わってないねえ

強制起訴

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というわけで民主党の小沢元代表が指定弁護士によって強制起訴されたわけであるところ、この「強制起訴」というのは何が強制で何が普通の起訴と違うのかという声あり。まあ要するに検察審査会の起訴相当という議決を尊重して指定弁護士は起訴しなければならない、起訴すべきことが強制されているという趣旨であって、普通の場合に検察官が起訴するかしないかを自由に決めることができる(起訴便宜主義)のと違うということであろう。で。

民主党の川内博史衆院議員
「冤罪(えんざい)の可能性がかなり高い。指定弁護士は法的には起訴しない判断もできた。無罪だと分かっていて起訴したのなら、弁護士法違反の疑いが出てくる」
(「政界おもしろコメント集」MSN産経ニュース)

つ「検察審査会法(昭和23年法律147号) 41条の10 指定弁護士は、速やかに、起訴議決に係る事件について公訴を提起しなければならない。」

モンゴル投資

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というわけで仕事のために東京のホテルに泊まってぼんやりとTVなど見ていたところワールドビジネスサテライトでモンゴル投資の話とか始めてびっくらする。えええええ。

GPSとDNA

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宮城県が「性犯罪で有罪判決を受け服役した出所者と家族や交際相手への暴力の加害者について、県内在住者を対象に全地球測位システム(GPS)装置を携帯させる条例制定の検討を始め、試案を明らかにした」(asahi.com)という件。うんいや正直運用方針次第だなあと思うのだが現時点では「女性と子どもへの暴力対策を話し合う県の有識者懇談会で村井知事が提案」(同)という段階らしく、県のウェブサイトでも私の知りたい部分は確認できない。まあでも、このあたりが注意すべき論点だろう。

学習能力。

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金曜日に法整備支援連絡会で大阪まで日帰り出張、土日に東京法哲学研究会で東京出張、月曜の演習を終えたあと火曜日に文科省関係の展示会で説明員を務めるために前日から上京して火曜に戻る予定であのねサイコロの旅じゃないんだから(挨拶)。

Webronzaで「岡崎図書館事件はまだ終わっていない」という高木浩光氏のインタビュー記事が公開されており、まあそのなんだ見る限り高木氏がついに刑法的な因果関係とか故意過失について正確に理解するに至ったらしいのでよかったのではないか。学習能力があるだけ田島泰彦氏より優れていると評価してもよい。もちろん無料部分だけを見て言っていることなのでそのあとどうなったかまでは知るところではないが払う気もないしな。

続・ねじれ対策

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前回言及した両院協議会の問題、「過半数」にするのが緩和し過ぎかどうかはもちろん選出手続きで言うところの「比例配分」の意義によるわけなので、試算してみたよ。

ねじれ対策(1)

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いやあのね、これ内容は正論なのですよ。「民主、ねじれ国会対策で両院協議会改革案 野党に提示へ」(asahi.com)。衆参両議院で議決が異なった場合に「両院協議会」が開かれるわけですが、「慣例で衆参それぞれの議決の多数派が10人ずつ出席しあうことになっており、合意を得られるケースはほとんどなく事実上形骸化していた。」と書いてあるとおり。つまり典型的には衆議院で可決した案件が参議院で否決されると、衆院民主党の代表10人と参院野党の代表が10人集まって「さあ調整しましょう」というのはまとまるはずがないよねえ。でまあ、予算・条約の承認・総理大臣の指名であれば喧嘩別れで自動的に衆院の議決が優越することになって終わり。法案の場合、再可決ができる状況なら最初から両院協議会を開かずにそうしてしまってもよく、できなければもうどうにもならないということになる。

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