時事: 2009年アーカイブ

少し前に書いたことについて、周辺の議論を見ていて多少補足した方がいいだろうと思ったことが三点ほどあるので、書く。いずれも私自身としては賛成半分反対半分といった気分なので難しいところであり、ただこの「難しい」という気分を理解してもらいたいと思うところはある。

人権の衝突

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なにやら沖縄返還の際に密約は存在したと外務省の元局長の人が証言したそうで(「沖縄密約「文書に署名した」 元外務省局長、法廷で証言」asahi.com)、テレビが西山太吉氏をえらいことフィーチャーしていたのだが密約の有無にかかわらず西山氏は「当初から秘密文書を入手するための手段として利用する意図で女性の公務員と肉体関係を持」つというジャーナリズム倫理上最低最悪に近いことをした人物であって(最高裁判決)、いや「密約が存在したんじゃないか」という当時の判断とか「こいつを落とせば情報が手に入るんじゃないか」という嗅覚については正しかったものとして評価することができるだろうけれども表に出して表現の自由だの語らせていい人間じゃねえだろう。もうみんな忘れたと思ってんのかな。それとも本人もマスコミの人も本気で覚えてないんだったりして

漢方薬と事業仕分け

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例の「事業仕分け」で漢方薬が保険適用から除外される方針になったという話が出て(「医療用漢方薬が保険適用外 価格が3倍以上治療に支障?」J-CASTニュース)、日本東洋医学会を中心に4万人の反対署名提出とか、騒ぎになっているようである(「漢方薬保険外に4万人以上の反対署名 厚労省に提出へ」MSN産経ニュース)。なんかしかし横から見ていて議論が的を外しているような気がするので、少し書く。ただし、


  • 本当にそういう方針になったかどうかについては知らない。あくまで、「本当にそうだったとしたら問題は何か」の話をする。
  • 漢方薬が効くとか効かないとか証拠がどうのとかは知らない。お医者さんでもないのでそのあたりはよくわからない(個人的にはほとんど西洋医学にしか頼らない)。あくまで、私が少しはわかる医療システムの話をする。

さて。

異世界通信

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私の『法解釈の言語哲学』という本はお互いに同じことをしているつもりで振る舞いも一致しているので安心していたらある日突然実は全然違うルールに沿って行動していたことが発覚するかもしれませんよという、まあ我ながら神経症的な問題を扱ったものなのだが(*)、こういう文章を見るとやっぱり日常的にも異世界言語を喋ってる人と接触してるんじゃないかなあという気がしてくるわけです(挨拶)。「サンデー時評:「ヒトラー呼ばわり」をめぐって」(毎日jpウェブ魚拓)。なんか「鳩山由紀夫首相は失言、放言がほとんどない」んだって。ふ〜ん、ほ〜お。

淘汰

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なんか家を出たら近所の工事現場が池みたいになってるんだけど大丈夫なのかあれは(挨拶)。まあ調整池の埋め込み工事なので必要性がよくわかりましたという意味では良かったのかもしれないけど。

さて民主党の小沢幹事長が「キリスト教もイスラム教も排他的だ」という趣旨の発言をしたという件(「「キリスト教は排他的」民主・小沢氏、仏教会会長に」Yomiuri Online)。いやもうあかんやろ完全に

「割高運賃で3000万円ムダ 外務省の在外職員公費旅行」(asahi.com)というニュースがあって、こりゃひでえなという思いが両方である。もちろん記事を読む限り「これは擁護できん無駄やな」と思うところもあるが(たとえばPEX運賃を請求しながら格安運賃で旅行していた事例)、割引運賃が使えたはずだという指摘にはあんたそれ意味わかって言ってるのかと思う。

Winny事件二審判決

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だいぶ遅くなったがWinny事件二審判決について。すでに報道されている通り、一審の有罪判決を覆して無罪、検察はそれを不服として上告する方向になったと、そういうことであった。問題は一審と二審のあいだで何が代わったかと言うことだと思うのだが、報道から見る限り実はあまり変わってないなというのが私の印象である。

もともとこの事件の論点は、法律的に見る限り概括的故意による幇助犯の成立を認めるかどうかということであった。つまり、「いつか・誰かが犯罪に利用するだろう」という予期と・「それでも構わない」という認容があることを刑事責任の基礎にしてよいかという問題である。というのは、幇助の対象である他人の著作物のアップロード行為が違法であることには疑いの余地がなく、それがそもそもよろしくないという(ヨーロッパにおける海賊党のような)主張は、本件で有罪判決を出すことがソフトウェア開発を萎縮させるかどうかといったような政策的衡量の問題と並んで立法府に持ち出されるべきものであり、刑事裁判という法の適用の局面に持ってこられても困るからだ。

うかつメディア

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というわけで民主党が圧勝したわけだが、まあこれはこれで良かったのではないか。というのはこれなら責任の所在がどこにあるのかは明確になるので、良かれ悪しかれ評価はしやすいよねと。都議選のときのような微妙な勝ち方(第一党ではあるが多数党ではない)だと、まあそれは地方自治体の二元的代表制の問題もあるのだが、政権運営は第一党の数を使って妨害しつつ責任は「多数派ではないので」とか言って回避するという戦略があり得るので、それは困る。まあとにかく決定が行ない得る状況の方が、どうにもならないスタック状況よりはいいのではないかと思う。

このあたり、もちろん私自身の政治的preferenceは生活保守なので民主党の掲げる施策のほとんどに賛成できないのだが、しかしpreferenceどうこう言えるのはシステムが存在し動作している限りにおいてなので、ないよりはあった方がまし。Twisted Diet論文に関して某先生から「民主党に優しく変わってない?」とか聞かれたのだが、要するに「やるならちゃんとやろう」という話なのである。まあその、初手から「麻生太郎首相は、31日の段階で(要求の受け付けを)やめるべきだ」(Yahoo!ニュース・時事通信)とか、予算決算及び会計令(昭和22年勅令165号)で概算要求の提出日が8/31と法定されているのと矛盾する要求とかが飛び出しているので、端的に「でけへんやろ」と思っているわけなのではあるが。

しかしそれにしても思うのは、野党の人は口々に小泉改革を批判するが、政権交代の可能性を生み出した・ヨコ交代依存の政治体制そのものが小泉政権の生み出したものなのだな、ということである。当然ながら、小選挙区制下では獲得議席数が大きく変動して政権交代の可能性が生まれるということ自体はそれ以前から理論的に予測されていたわけだが、実際にone issue的な選挙を通じて大議席の獲得が可能であることも、それによって強固な政権基盤を築けばある種「やりたいほうだい」であり、反対者がいようが選挙公約と矛盾していようが次の選挙までは自分の意志が貫けるということも実際にやって見せたのは小泉純一郎だよなと。そして、小泉政治というのがそのように、従来のコンセンサス形成的な政治から為政者のリーダーシップを強く発揮させる、井上達夫の言葉を借りれば批判的民主政的な構想への転換を意味していたのだとすれば、なるほどその物語はそのリーダーシップに対する国民の評価としての政権交代、つまり「悪しき為政者の首が切られること」で完結を迎えるのだなと。

一学期の後始末を終えたら夏が終わりかけている(慨嘆)。というかここ2週間で4回ほど東京との往復を繰り返しており、なんか移動だけで疲れ果てているわけですが。

さて先日元官僚の人と話す機会があって、「政権交代で混乱するだろうから現役の連中はかわいそうだ」と言われたのでそういうことではないのではないかと反論した件について。

ちなみに

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なんで補講などやるハメになったかというと南山大学で新型インフルエンザが発生したからであります。7月7日から11日まで学生さんは課外活動も含めて禁止だそうで、当然ながら名古屋大学で開講されている私のLS講義にも参加できないことに。同じ授業を二回やるのは無理だしイヤなので、名大LSを巻き添えの休講ということになりました。学生諸君には当日の告知でご迷惑をおかけしたわけですがそういう次第で私は悪くない。つうかその辺の事情を一切書かずに「本日休講です」というだけの告知を貼ってまわったうちの事務もどうなのかと思うよね。

ちなみに

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5月に一生懸命書類を書いていた某競争的経費について「通りました」という連絡を受けたのでそそくさと大学をあとにするわたくし。いやなんか悪い予感しかしないんだもの

さて、補足を二点。

政治的中立性(1)

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私が小沢前党首のことを嫌っていると思う人がいるようで、いや嫌いだが(別に私に嫌われたからどうこういうこともなかろうが)、しかしそれと能力の評価は別問題であって、ある意味で私は氏の能力を高く評価している。だって民主党の首脳陣では一番マシなんじゃない?

なかでもこの人の発言というのは正直まともに相手するのが間違いというレベルだと思っているのだが、今回もその知的レベルの低さを端的に露呈しているので一点のみ指摘しておく。政権交代のある場合の官僚制と政治セクターの関係をイギリスに視察に行ったことを踏まえての発言なのだが、以下の通り(菅直人公式サイトより「公務員の政治的中立性。」)。

日本の国家公務員法にもその102条に公務員の「政治行為の制限」が規定されている。イギリスの上級公務員は「国政レベルで議論になっている問題について公の場で発言したりマスコミに意見を発表すること」が規則で禁止されている。しかし日本では禁止されているかどうか必ずしもはっきりしない。ここに問題がある。

独自の見解(3・完)

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第三点は、しかしそもそも今回の事件にどの程度の違法性があり、それによって強制捜査にどの程度の正当性が生じるのかという、先ほど留保しておいた問題である。正直に言うがこの点、別に私は刑事法の専門家でも政治資金規正法に詳しいわけでもないのでそうたいした意見があるわけではない。しかし「第三者委員会」の報告書は違法性がないので捜査は不当という見解を示しているところ、その理由は総務省見解・法務省刑事局長答弁とも相違しており、かつ判例に裏付けられているものでもないようなので、まさに「独自の見解」としか言いようがないのではないだろうか。

独自の見解(2)

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さて以上のように、少なくとも両面の危険性があることを踏まえれば指揮権行使の是非は具体的な場面ごとにその行使がもたらし得る危険性によって判断すべきだということになるのではないか。もちろんここで郷原氏は、(1)衆議院総選挙の迫った時期において(従って捜査の帰趨が政治プロセスに与える影響が強まっている時期において、(2)不十分な嫌疑に基づく捜査が行なわれることには具体的な危険性が高いと主張するのだろう。

独自の見解(1)

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ご近所の壁に貼ってあるポスターが増えたなと思ったら幸福実現党でした(挨拶)。出足速いな三河の地方都市だよ。

さて民主党の小沢前代表の不正献金疑惑問題について「第三者委員会」が見解を公表したようであり、またその内容について新聞各紙から一斉に批判されたのを受けて同委員会の委員でもあった郷原信郎氏が反論を公表していたので読んでみた。まあその、感想を一言で言うと「独自の見解」ということだろうか。

さて第二のコンフリクト対象は、将来世代である。地方自治体からの給付を受けるのは現行世代だが、その財源を地方債増発によってまかなう場合、その負担は将来世代に繰り越されることになる(財政が破綻しない場合はその自治体の将来世代、する場合は国家全体の将来世代ということになろう)。住民税引き下げの恩恵を受けるのもまた現行世代である。従って、住民税を下げ・給付水準を維持ないし引き上げ・財源を地方債でまかなうという選択肢は、将来世代から現行世代に対して所得移転を行うことを意味しているだろう(再度念のために書くが、住民税を下げ・給付水準を引き下げ・地方債は追加発行しないという選択肢もありえ、この場合は現行・将来の世代間に関する限り中立ということになろう)。

ステキ地方債(2)

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閑話休題。従って、「市民税10%削減」という種の提言が財政支出の削減によらずに実現される場合(支出削減が、行政事務の効率化によるものであれ給付水準の引き下げによるものであれ、十分に実現するのであればそれは財源負担者との関係においては問題を生じさせないので、以下の議論は当てはまらない)、そのような政策がコンフリクトを起こすのは以下の二者に対してである。

ステキ地方債(1)

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そろそろ体育会は性犯罪を助長するので自粛とか言い出す人間が出てこないだろうか(挨拶)。いや根っからの文化系なのであまりシンパシーもないし、妄想と実際の行為のどちらをより厳しく規制すべきかという問題をきちんと考慮すべきだと思うわけだが。

さて、市民税10%削減というステキ市長の提言について、「貸している側から見れば税金は担保であるので、勝手に削減するような相手にもう金は貸さないのではないか」という指摘がコメント欄でなされた。しかし、もし私が貸し手なら貸し倒れが生じないという条件下において・利率が十分に高ければむしろ返済期間が延びることは私の利子収入を最終的には増大させるだろうから、むしろ望ましいと考える可能性は十分にあるだろう。この点、別の方が「結局返せるかどうかが問題」と指摘されている通りである。

雑感

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直前に呼び出されて企画書を3本書くことになった結果として今年のゴールデンウィークも当然のようにまた存在しませんでしたが、何か(挨拶)。しかも何一つ自分のためでないという。ようやく3本目の第一次案までまとめたけど、これもあと私が作業しないといけないんだよなあ......

雑感

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書店で戦前の軍隊を扱った新書を手に取ったら前書きに日本近現代史研究でも戦争による「強制的同質化」という概念が提起されている云々という文章があったのだがあのまさかGleichschaltungの訳語だって気付いてないとかいうことはないだろうね(挨拶)。知ってて書いてるならなぜそこでナチズムに一応でも言及しないのかというのが極めて謎ではあるんだけど。というわけで、雑感。

政党の変化?

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なんかねえ、「gmail.com」の「mail.com」のところを見て「spamっぽい」と思うみたいなんですよ>MovableTypeのスパムコメントフィルタ。気付いたら戻すようにしていますので、ご寛恕ください>gmail利用者の方々。認証していただいて、一回通ればそれ以降は大丈夫になるはず、なんですけど。

さて花見から戻ってきたら森田健作氏が千葉県知事に当選したそうで(asahi.com)、わあ

雑感

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さあこれで年度末まで少し原稿を書く余裕ができたぞと思ったら次々とアポイントメントを入れられている件(挨拶)。忙しさに取り紛れて書き忘れていたのですが、名古屋大学法科大学院(大学院法学研究科実務法曹養成専攻)で私が開講している「情報と法」が、2009年度は南山大学法科大学院との共同開講科目になります。まあ私にとっては別に学生さんによその人も一定数混ざるかもしれないというだけのことで、授業も従来通り名大で一度やるだけなのでいいのですが(でも授業時間は(より遅い)南山に合わせるので45分遅れ)、これに伴い南山・名大の双方で履修に事前手続が必要になるようです(講義開始日にいきなり教室に来ても履修が認められません)。つまりその、LSの授業なので人数が一定数を超過するとまずいということらしい。履修希望のある人がここを見ていたらご注意ください。さて。

リスクの転嫁

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apj先生が言及している、指定校推薦制度における出願ミスの話(asahi.com)。結論的に言えば、apj先生の「疑問点」の捉え方は基本的に逆

陰謀論

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湾岸戦争はアメリカの陰謀だと主張していた人に「でもきちんとした根拠が示せなければその主張自体が陰謀になっちゃうんじゃないですか?」と聞いたら「それは違う」と断言されたのだが何がどう違うのか最後まで説明してくれなかった件について(挨拶)。一応世間では哲学者として名の通っている人だったんだけどなあ......分析的思考はできない人だったけど(*1)。そんなことをふと思い出した。

さてその、民主党の小沢党首の公設秘書・会計責任者が逮捕されたという件についてなのであるが、事件自体がどの程度の広がりを持っているのかとか、どの程度の証拠・証言が揃っているのかといったような問題については今後の展開を待つしかないと思う。ただ、この時点で陰謀論を唱えるダメな人は洗い出されたのかなという感じ。

以前のエントリで、MSN産経ニュースの「【名古屋あのね話】元経産エリート官僚が市長選に出馬表明」が対象人物のプロフィールについて基本的なミスをしていることにツッコんだわけですが、匿名希望の方から「ミスはそこだけではありません」とご指摘をいただきました。そのご紹介も含めて、若干の補足を(ご教示ありがとうございました>匿名希望の方)。

やっちゃった。

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いやMSN産経ニュースで名古屋市長選関係のニュース(【名古屋あのね話】元経産エリート官僚が市長選に出馬表明)を読んでいたわけですが、自公両党が推薦する見込みの候補者について、「若くして山形県警本部長に抜擢(ばってき)され、米スタンフォード大に留学。」と書いてある。ご本人のウェブサイトのプロフィール欄でも確認しましたが、これは「山形県警警務部長」の間違いです。念のために魚拓

配置転換と職務

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田母神・元空幕長が更迭・定年退職した事例について、「五百旗頭真防衛大学長も、政府の方針や見解に反した論文や発言をあちこちで発表している。そちらにお咎め無しなのは二重基準、矛盾ではないか」という主張がある旨、Gryphon氏にコメント欄でご教示いただいた。だいぶ時宜を失していると思うが一応この点について検討しておく。

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