大学の人事とスケジュール(2.5)

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テレビを見ていたら岡田克也・副総理が「なぜ認可前に校舎の整備が始まっているのか」という趣旨の発言をしており、また田中真紀子・文科相は今日の記者会見で「(認可が決まった段階で)既に建物が出来ているのはおかしい。誰かが事前に情報を流しているのでしょう」と発言したとのこと(「肝心なこと言い忘れた...田中文科相、唐突な発表」Yomiuri Online)。わあすげえ、こいつら本物の馬鹿だ

あまりのことなので、これまでの話への補足を書く前に事実だけ確認しておくと、まず大学新設等の手続きについては「大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則」(平成18年文部科学省令12号)というもので規定されているところ、認可申請書に添付すべきものとされている書類(第2条1項)には「校地校舎等の図面」が含まれている。文部科学省の方で「大学の設置等に係る提出書類の作成の手引き」というものも公表されているのだが、それを見ると明記されている通りこれには(1)都道府県内における位置関係の図面、(2)最寄り駅からの距離や交通機関がわかる図面、(3)校舎・運動場等の配置図、(4)校舎の平面図がすべて含まれる。また、申請時に校地校舎が未整備の場合、造成・整備・建築に「着手したものについてはその工程表を,未着手のものについてはその工事計画を校地校舎等の図面の最後に添付」することが求められている。つまり少なくとも現行制度上は申請時点で校地が確定しており、そこに建設される校舎についても新設時点までに間違いなく工事等が終わっているレベルで準備が進んでいることが前提になっている。

というかその、越後交通グループには建設業者もありましたよねえとか角栄さん建設業出身だよねえとか言いたくなるわけであるが認可が出る10月末から工事に取り掛かって4月までに鉄筋の校舎が完成するかどうか考えろよという話ではあろう(田中真紀子氏に何かを言うことに意味があると思いますかというツッコミは却下)。制度的な仕組みがまったく理解できていないので、未認可の大学の校舎整備などが進んでいるという話を聞いて官僚との癒着と勘違いしてキレた、というのがおそらくは実態なのでしょうな。

なお岡田克也氏については、ああこいつ役所にいた12年で何も勉強しなかったんだなという感想です。まあ国家公務員法を知らなかったと堂々と発言された方なので、もうどうでもいいけど。

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コメント(9)

念のために言うと、こんな設置審制度の中身とか大学業界ローカルの知識なので世間一般の方々がご存じないのは当たり前だと思うし、マスメディアの方々がピンときていないのも、まあ現時点では仕方ないかなと思う(いやそれだけに中のひとがボケたことを書くとあてこすらざるを得ないわけであるが←性格悪い)。

しかし田中氏については所管大臣で担当部局からのご説明もさんざん受けているはずであるし、岡田氏については本件対応がトラブルになっていることを承知の上で取材を受けている段階なわけで、調べてこいよとは思うよなと、そういう話です。はい。

『(1)申請時に校地校舎が未整備の場合、造成・整備・建築に「着手したものについてはその工程表を,未着手のものについてはその工事計画を校地校舎等の図面の最後に添付」することが求められている。
(2)つまり少なくとも現行制度上は申請時点で校地が確定しており、そこに建設される校舎についても新設時点までに間違いなく工事等が終わっているレベルで準備が進んでいることが前提になっている。』

(1)は明記されている通り、必要条件と思えますが、(2)は必要条件ではありませんので、「工事が終わっていなければいけない」と言うことではないのかな。
大学の新設なのですから、それに相応しい建物の図面を添付は当たり前のことであって、建築確認と意味合いはまったく変わらないと思います。

いろいろと騒動はありましたが"(支障がないように)認可はする"と言うのは大臣の考えの中には最初からあったんじゃないでしょうか。
だから最初から「批判は覚悟で申す」と言った主旨の発言がっあったのではないかなと。
ここまでの騒動になることで一石を投じることになる、と言う。

と言ったら大臣を買い被りし過ぎでしょうか。


つまり、申請にあたって言明しているはずの、開学時に用意するとしていた大学の施設が、実際に開学された時には竣工していなくても問題ないと?
これこれの人数の学生を予定しています、だからこれだけの施設がいるのでこういう図面です。でも、実際に開学する時には出来上がっていないかもしれないけどいいよね^^ これがあなたのご主張ですね。

本気でおっしゃっているんですか???

ご返信ありがとうございます。

開学時に校舎がないのはどう考えてもマズイでしょう。

しかし、認可された時点で「竣工されていなければいけない」とも書いていないわけです。つまり認可を受ける必要条件ではない。

認可基準を厳しくし、かつ認可を受けてから計画実行に着手する本来のあり方にもっといこうとするための、あくまで1つの突っ込み所が"(認可が決まった段階で)既に建物が出来ているのはおかしい。誰かが事前に情報を流しているのでしょう"なのではないかなと考えたわけです。

横やりスミマセン。

おおや氏がおっしゃる通り、新築の場合は工期を考えれば今この時点で着工してなければ4月の開校は難しい、無計画にもほどがある、ということで認可は却下でしょう。認可条件は"竣工"ではありませんが、大学設置基準に基づいてハコの計画実現性が審査されます。『統合医療大学院大学』開設不可の例がおもしろいので是非ご一読を。

ただ、ここでは着工がどうとかではなく、そもそも所管大臣ともあろうお方が、認可の流れを勉強せず"情報横流し"という素人考えをして、しかもおおっぴらにそのおマヌケ発言をしてしまうところに問題があります。(素人考えが悪いのではなく、所管大臣は素人であってはいけないのです。大臣なら勉強しなさい、ということです。念のため)

仮に、今回の件はmasaさんの言う"一石を投じる"ことだけが目的だったとしても、国務大臣の手法として稚拙過ぎです。私は「あー、アタマ悪い大臣だな」と再認識しただけで、"一石"に何の意味も見いだせませんでした。

kuniさん、ありがとうございます。

申請の提出期限(開設前々年度の3/31)を見る限り、そうゆう流れなのは理解できますし、役所の指導のもと申請手続きを進めているわけですから、土壇場で「認可しない」と言うのはまさしく想定外であると思います。

《※1つ疑問なのは、申請提出期限である開設前々年度の3/31の1年前(=開設の3年度前の3/31)までに提出うるようなケース、つまり1年余裕を持った申請をするようなケースはないんでしょうかね?》

ですから、僕は今回の騒動を聞いた当初、開設にあまり支障がない時点で認可はされるだろうと思っていました。

認可をすることとなるのに大臣は騒動を起こした目的を考えると、自分が批判を受けることを覚悟でも、世間にこの制度(大学数の増加なども含む)に目を向けさせるためだったんじゃないかな?と思うのです。

ちなみに申し添えますが、私は大学業界の人間ではなく、ずぶのど素人です。
そんな素人に「アタマ悪いな」と思われる国務大臣は、ホントにアタマが悪いか、素人には分からないほどハイレベルな賢さなのか?

(↑ プレビュー見るつもりで、投稿してしまいました)

"制度に目を向けさせる"目的で、何の落ち度もない申請校を犠牲にして社会を振り回すというやり方は、国務大臣として知恵がなさ過ぎかと…

>masaさん
反応が遅れました。
(1) 規定の書き方から言って、申請時点ですでに校地校舎の整備が終わっているのが原則、一部が終わっていないので工程表・工事計画を添付するのが例外です。特に校舎については年次進行に応じて段階的に整備することが認められているので、認可時・開設時にすべての校舎が竣工している必要は、厳密に言えばありません。しかしすでに言及されている工期の問題、開設時点で校舎として使用できる状態になっていないといけない点(つまり内装・什器整備に加えて研究室の引越し、蔵書の搬入・整理、事務窓口の機能開始などが住んでいる必要がある)から、10月末に工事が終わっていないというのはかなり危険な状態だとは言えるでしょう。なお大学関係者でもある谷岡郁子・参議院議員(民主→無所属)によると、審査プロセスの一部として委員による実地調査があり、その時点で建物が完成しているかどうかがチェックされているそうです。
(2) 現状の制度では、「1年余裕を持った申請」は受け付けられません。2012年3月末に申請が受理されるのは、2013年度の新設計画のみです。
(3) 大臣自身の意図はご本人に聞かないとわかりません。外部から推測した仮説として、masaさんが考えられるような意図があったというものと、大臣として不適格なくらい無知無能であったというもののどちらが合理的か、過去のご本人の言動と整合的かといった要素をもとに、各自が考えるしかないことになります。私個人としては、大臣に不適格であった点に折り紙のついている方の意図を推測すれば、本文で書いたようなものがもっとも整合的ではないかと思うところです。

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