アサヒ

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なにやら法政大学で学生デモがあって機動隊がキャンパスを封鎖する騒動になったとのこと。その端緒が学内での飲酒禁止規制にあったということで、twitterなどでは「大学になにしに来てんだ」的な反応も相次いでいるようである。主張の是非はともあれ、つまり論点をアピールして周囲の共感・同調を誘うことには失敗しているようであって、それは何故かというに訴求先を間違えたからであろう。キャンパスで酒を飲む自由をもっとも重要視しているのは大学教員であるので、一般社会や同世代学生ではなく学生運動世代とかのオヤジ教員を泣き落とす戦略のほうが有効だったのではないだろうか。そのまま肩を抱かれて居酒屋に拉致されてしまう可能性なしとはしないが(挨拶)。さて。

以前にも書いた通り私は橋下・大阪市長の政策・政治手法を決して高くは評価していないのだが、しかし今回の週刊朝日の特集記事については端的にアウトであり、それを問題として指摘する橋下氏の方が完全に正当だと言わざるを得ない。家族・生育歴など本人の責任に帰すことのできない事情であっても、それが本人の一定の政策・政治手法と深く関わっており、政治家としての本人の評価を下すにあたって相当の関係性があるというような事情があれば、調査・報道とも許されるだろう。しかし本件ではそもそもそのような論じ方をしないことを筆者本人が宣言してしまっているので――「私はこの連載で橋下の政治手法を検証するつもりはない」――明らかに(橋下氏曰くの)「血の論理」に立つことになっている。

これは正当化できない差別そのものであり、言論の自由を逸脱していて許容されない。というのは、憲法に定める他の基本的人権、具体的には13条「すべて国民は、個人として尊重される。」、14条1項「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と衝突しており、かつそこにおいて言論が優先すべき適切な理由がまったく示されていないからである。およそ憲法に掲げる人権の重要性を主張する人々なら本件記事の姿勢を端的に否定すべきであろうと思われるところ、まあつまりだから、普段なにを言っていようが今回黙ってるような連中は人権じゃなくて自分の敵を叩けることが大事だったんだねというわけで、いい試金石を提供してくれたものだとは思うわけである。

しかしこれをいまさら言うのもおかしいよなと思うところはあり、何故かといって週刊朝日がジャーナリズムの名に値しないクズ雑誌であることはもう周知の事実じゃなかったのか。10年くらい前までなら新潮・文春に対してやや上品でその分商業的に出遅れているという印象は正しかったと思うが、近年は北朝鮮拉致被害者の独占インタビューを掲載したら承諾を得ない隠し録りだったとか(2003年)、広告に「長崎市長射殺事件と安倍晋三首相秘書との『接点』」と謳いながら本誌ではその秘書が犯人の所属する暴力団から被害を受けた話を書いているだけというケースをやらかして全国紙4紙に謝罪広告を出すハメになったとか(2007年)、政権交代前には「民主党政権1年後のニッポン大予測」と題してバラ色の夢を煽りながら3ヶ月後には「民主党不況で大失業時代へ」と手のひらを返してみたとか、要するに報道倫理でも内容の一貫性でもトラブル続きなわけである。

ちなみにこれらすべてをヤラカシた背景にいた人物が前編集長の山口一臣氏で、2003年の事件で停職処分を受け副編集長(当時)を解任されたが2年後に復帰して編集長に昇格、2011年には販売部長に転じ、今回の記事に対しても自身のツイッターで「今週のサンデー毎日、必読です。あ、週刊朝日の「ハシシタ」もよろしくね!」(twitter)などと言っていた人物。なおその後も「橋下さん、親に告げ口じゃなくて週刊朝日と佐野さんに堂々と喧嘩売ってくればいいのに。いまのところ、ないようです。」(twitter)などと発言中。週刊朝日は大阪市役所の記者会見には出ていないとのことだし、佐野氏は取材に対して「編集部に聞いてくれ」で逃げてたけどね。

まあだから、この山口路線がエスカレートしてついに一線を踏み越えましたという展開であろうところ、山口氏は中途入社組で一貫して雑誌畑(朝日新聞本紙とは無縁)という経緯もあり、朝日新聞側としては巻き込まれた感を持っているだろうことに一抹の同情を覚えないではない。もちろん経営権を通じたコントロール機能がある以上この種の人物を放置しておいたことの責任は免れないし、お前ら国立大学でスキャンダルがあったら文部科学省に取材に行くだろ? とも思うわけであるが(2004年以降国立大学は政府と切り離された別法人ですよ?)。まあせいぜいその不満は社内粛清で晴らしてください。つぶしあえー。

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