無罪判決について

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なんか郵便法不正事件で厚生労働省の村木元局長に無罪判決が出たそうである。まあまたこれで検察権力の横暴がうんぬんとか国策捜査がかんぬんとか言い出す人が出るだろうと思うのだがいやでも無罪になったんだから刑事裁判制度全体としては健全なんじゃねえ?

まずもって同被告が本当に無実なのかどうかとかもちろん神ならぬ私にはわからないが、まあそうだったとして、それが起訴されてしまったということは検察の捜査過程に問題があったはずだということにはなろうし、まあ報道を見る限り実際にあったんじゃねえかとは思うがまあこの分野には素人同然の人間が言うことなのであまりあてにはならない。まああったとして、しかしその問題は一審の法廷で露呈し、無罪判決に結びついたわけである。最終的に冤罪を発生させることはなかったわけで、検察自体に問題があったとしても刑事裁判は失敗しなかった。この事例から「検察も完璧ではない」と言うことはできるとしても、「刑事裁判も失敗する」という主張はできないよねえと思うわけである(もちろん他の論拠から言えないわけではまったくない)。

もちろん今回は優秀な弁護士さんが努力されたから成功したという側面もあるだろうし、運良く一審から正しい(と想定した)判断がなされたが、いい加減な裁判官だったら見逃されてしまうという危険もあるだろう。でも逆に言えば、同じ弁護士さんが担当して最高裁まで三回判断を受けてなお結論が変わらないというのはまあ救いようがねえよなという話でもある(何かというとそろそろ収監されるはずの外務委員長のことだ)。

もう一つ、そんな「システム全体としては健全」とか言われても逮捕・起訴された時点で社会的にはかなりの不利益が生じてしまうわけで、できるだけ早い警察・検察の段階で問題を起こさないようにコントロールしていくべきだという意見もあるだろう。「被害が起きてから修復するより被害自体を起こすな」というのは良くわかるし、私自身もそのような立場に基本的に賛成である。ここではただ、こういう意見に賛成するなら「内閣法制局の廃止」とか言い出さないようにねと釘を刺しておきたいだけ。議会が立法してしまってから裁判でその合憲性を争うのではなく(そのあいだにも当該法律に基づく行政は進んでしまっている)、最初から合憲性に疑義のある法律を作らないように早い段階でコントロールした方がいいんだよね、その鍵が内閣法制局審査でしょとまあ、そういうことなのである。(9/16公開)

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コメント(2)

>こういう意見に賛成するなら「内閣法制局の廃止」とか言い出さないようにね
立法と行政を完全に分離する(内閣の法案提出権を廃止する)という意味で、廃止ではなく議院法制局への吸収、ってのはまああり(それなら議員内閣制もやめて大統領制か首相公選にするほうが先だろうが)だと思います。
「どちらもしょせんは官僚のやることだ、廃止してその分交付金増やして政党スタッフにやらせろ!」なんてのは確かに論外だと思いますが。

あの~、あきれてものも言えないので、用件だけ書きますが、おおや先生の直接のお知り合いで(学校の同窓とかならなおよし)、朝日新聞の記者はいらっしゃいますでしょうか。
もし、いるのでしたら、本当に何とかしてください。お願いします。

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