名古屋大学オープンカレッジ

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なんか自民党が長妻・厚生労働大臣を標的に「質問主意書には大臣が回答するのか、役人が回答するのか」という趣旨の質問主意書を送ったそうで(日刊ゲンダイ)、ゲンダイソース(笑)ながら興味深い。自由民主党・改革クラブ 長勢甚遠君提出「脱官僚政治に関する質問主意書」かなと思ったが、まだ内閣に転送されただけで回答は来ていないので確証はない。いずれにせよ自分がかつてさんざん悪用した手法の標的になるわけでまさに因果はめぐるとしか言いようがなく、かつ会派をともに組んでいる鈴木宗男氏が相変わらず外務省に対する主意書を乱発している点を見るに民主党全体として別にどうにかしようという気もないようである。今後の展開によるところもあるがいずれにせよ厚労省の役人の人が苦しむだけで終わったらかわいそうだなあとの疑念を抱きつつ、長妻氏に対しては「がんばってくださいね」と生暖かい微笑を送っておきたい。いや以前にも書いた通り私自身は質問主意書制度自体は少数政党の参加機会を保障する意味においても重要だと評価しているのだが、その一方馬鹿が濫用するとそのような趣旨も滅却されるので望ましくないと考えており、まあつまりだから長妻氏については極めてネガティブな評価を持っているところなのである。さて。

まあそういうわけで名古屋大学オープンカレッジという、まあ要するに参加無料の公開講座で「何が秘密なのか?:個人情報とプライバシーをめぐる変化」と題してお話をしてきた。内容は要するに、(1) 古典的に(とはいえそう長い歴史があるわけでもないが)プライバシーがどういう概念として発達してきたか、(2) しかし近時の傾向や個人情報保護という新しい枠組において保護対象がどのように変化してきたかを述べたうえで、(3) その背景にある事情として情報技術とメディア環境の変化を指摘し、最近の傾向に示されているような期待を人々が抱くこと自体は正当なものだと評価しつつ、(4) しかし実際に選択されている手段がその期待に対してトンチンカンではねえだろうかと問題提起するということで、ついでにいつもの通り国家を警戒するあまり中間団体の危険性を見逃すべきではないという話を展開してきたわけである。学生さんも何人か来てくれていたのだが、いま学部での私はもっぱら法思想史の教員なので、そういうイメージと(LSなどで見せているような)情報化社会論研究の側面のあいだにギャップを感じなかったかしらとは、少し思うところ。

ちなみにその、オープンカレッジに関する大学の公式ページですら名前を間違えられている私、という件についてあなたどう思うか。いやまあもうすっかり慣れっこなので怒りませんけどね、ええ。

***

10月31日(土)/名古屋大学オープンカレッジ「自由奔放! サイエンス」
大屋雄裕「何が秘密なのか?:個人情報とプライバシーをめぐる変化」
(主催・名古屋大学経済学研究科エクステンションサービス、後援・社団法人キタン会)
於・名古屋大学東山キャンパス・経済学研究科カンファレンスホール


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コメント(3)

いやしかし、大屋先生のお名前は校正者としては厄介ですよ。「おおや」だけで「大屋」「大矢」「大家」「大谷」「大宅」などがぱっと頭に浮かびますし、経験則でいえば「ひろ」は「すけ」と並んでチェック時に見落としやすい漢字ですので。

もちろんリンク先については「字面も何も似てないのになあ」と思います、というかそれ以外にも寺田氏の「現代若者の職業感」は「職業「観」」じゃないのかとか、「教育発科学研究科」ってのはまあ「発達科学」なんだろうけれどもそういう略しかたは(オープンカレッジの案内ならなおのこと)するものなのか、といった疑念がふつふつと湧いてきたりもしまして、まさかノーチェックということはないよなと他人事ながら心配になるところです。

中間団体に当たるかどうか分かりませんが、クレジット会社の情報収集力を侮ることはできないと思います。
ずいぶん前(20年以上前)の週刊朝日の「デキゴトロジー」に載っていた記事では、中小企業を営む男性は新入社員を採用する前に、クレジット会社に勤めている娘に、採用候補者について情報収集をさせていたそうです。そうすると、借金歴や買い物の履歴などの情報が簡単に入手できたそうです。
ポイント制度を活用するため、色んな物をカードで支払うことが多くなりました。スーパー等でも、提携カードを使う人も多いです。これを言い換えれば、カード会社には、借金の履歴や大きな買い物の履歴だけでなく、日常生活での消費データが蓄積されていることになります。そして、信用情報の共有と言うことで、これらのデータがどの程度、共有されているのか分からない状況にあります(少なくとも、状況を把握している人は少ないでしょう)。
 国家機関の情報収集(集約)に敏感な方々が、何故、民間での情報収集(集約)にこれほど鈍感か分かりません。

今更にレス。

>なかの人 さん
おっしゃる通りで「大屋」もごく少数派ですし、名前の方など生まれてこの方同じ人に会ったことがありません。同音の人はある程度いるのですが、字が違うんですよね。
というわけで私の側の特殊事情が影響しているので間違われても怒ったりはしないのですが、しかしこの、あとで書きますけど短期間に連続すると多少へこみますね。
リンク先はもしかしたらノーチェックかもしれないと思うところですが、どういう経緯なのか大学全体の公開講座なのに運営を経済学部が引き受けているという事業なのでちょっと優しい目で見てあげてください(いや本来受講する側の方々には関係ないことですが)。

>TKさん
クレジット会社も典型的な中間団体です。ご指摘の通り、購買履歴や信用情報はいろいろと使い勝手の良いデータですから、適切な規制を加えないかぎり大変に「活用」されてしまうだろうと思います。現在では個人情報保護法などもありますのでそのような「活用」は少なくとも表向きにはできなくなっていますが、その規制をどこが加えているのかということもきちんと意識すべきだ、というのが私の基本的な立場です。

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