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「法の支配」セミナー

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というわけで、名古屋大学大学院法学研究科・大学院教育改革支援プログラムの主催による「法の支配」セミナーと銘打って、アメリカ・セントジョンズ大学ロースクールのブライアン・タマナハ教授をお呼びしたわけですよ。会場には、遠方からお越しいただいた方も含め80名を越える参加者にお集まりいただきました。なんか地味なテーマのわりに大盛況という感じで、関係者一同恐縮しております。お越しいただいた方々には改めてお礼を申し上げます。

なぜしかし「法の支配」かというと、趣旨説明のところで私自身申し上げたことですが、法整備支援領域を典型として、世界中でこの言葉が濫用されている。世界銀行単独で90年代以降300以上の「法の支配」樹立プロジェクトがあったとか、これはウィスコンシン大学のトゥルーベック教授が書いておられることですが、そうやって構築を目指したり賞賛したりしているわりにはその内実がまったく明らかではない。この点はタマナハ教授がまさにOn Rule of Lawの中で指摘されているわけですが、ブッシュ(子)とムガウェと江沢民が一致して賞賛している「法の支配」てえのは何なのかと。まあそういう問題意識があって、私自身先日英語の論文を一本書いたわけですが(未発表)、ここはひとつご本人も呼んでお話を聞こうという趣旨だったわけです。

この点、セミナー前日に名古屋大学で学生を対象に行っていただいたゼミなどの内容も勘案して言うと、タマナハ教授ご自身は----On Rule of Lawの中で行なった----「薄い」法の支配と「厚い」法の支配のあいだでは前者を取る、それは形式的な内容に「法の支配」をとどめることによって「善」をめぐる議論を避けたいという理由があるからであると。その上で、現在までの法整備支援がそのような意味での「法の支配」の確立にも成功していないことを指摘し、その原因としてinterconnectivity principle、つまりそもそも法は社会を運営する仕組みのうちの一つであるに過ぎず、他のさまざまな仕組み----たとえば宗教や市場や伝統的秩序や----と相互に関連して存在しているので、同一の法が異なる社会で同一の機能を果たすとは考えられない。「社会の法に対する優越性」を承認し、それぞれの社会の中で所期の目的を果たす手段の一つとして法改革を位置付けなくてはならないと主張された、ということになるのではないでしょうか。

でまあ、率直に言うとこれは多分日本の支援関係者などからは「そうですよね」という話であって、そういう話のできる人がアメリカでも評価されてきているのは素晴らしいですと書くと若干聞こえがいいが、まあイースタリー・サックス論争を見る日本の経済学者、みたいな感慨なきにしもあらず。もう一つは、これは松浦教授の総括でも指摘されたことだが、interconnectivityがありますという点で意見が一致したとして、では次に何をするか、何をどう研究したり支援したりすればいいのかということが課題として確認されたよね、ということでもあるだろう。まあそのあたりが次のプロジェクトの課題になるのかなと、誰が申請書書くんだとボヤきつつ、思うわけである。

RIMG0002.jpgところで今回は開催2週間くらい前になって急に会場変更のご連絡をするという事態になって諸方面にご迷惑をおかけしたのであるが、これは(大方ご推察の通り)新型インフルエンザ対策であって、まあ正直大学当局の方針がどうなるかわからない、とにかく海外から来た人を学内に入れるなという事態になることもあり得ると判断したので急遽借用したのが「名古屋プライムセントラルタワー」という、写真の建物にある会議室。なんか本当に新築できたてで、しかも名古屋駅から徒歩5分とかいう場所にあるのでいくらかかるんだろうと思っていたらなんかキャンペーン中とかで思ったより安かった。行ってみたところその理由の一半は判明し、つまり本当に新築でまだ上下のオフィス階とか入居してないのでエレベータホールとか養生したまんまという、うんまあその別に機能的に支障はないんだけどねという状況で。

しかしその、前述の通りフタを開けたら元々の予定会場だと入りきらない規模のご参加をいただき、同時通訳用のレシーバも急遽追加借用という次第で嬉しい悲鳴を上げていたわけであるが、会場移転も遠方から来られる方々にとっては便利に働いたわけで(いや私もなのだが)まさに塞翁が馬という感じ。まあとにかく無事終わって一安心しております。

RIMG0001.jpgところでこの会場、こういう場所に建っていたようです。へえ。

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