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食べる旅(3・完)
バザールに土産物を買いに行った。行きの荷物は半分くらい工芸品(現地の人へのお土産)だの電子機器(センターの設備)だので埋まり、それがウズベキスタンで買い込むレーズンやアーモンドやピスタチオに化けて帰ってくるというのが私の出張の定番であり、どういう買い出し部隊かと思わなくもない。
さて、今回も山のように(kg単位なのであまり比喩ではない)そういったものを買い込んだのだが、加えて現地で食べているパンを買い込もうと思った。みっしりしていてなかなか旨いのである(左写真)。バザールの中でパンを売っている一角に行き、それぞれに自家製のパンを積んだ店が並んでいるので本来ならあちらこちらで試食して品質を試したり値段交渉したりするのであろうがもちろん英語が通じるわけもなく、時間ももったいないし面倒なので手近な店で店頭のパンを指して「これいくら?」と聞いてみる。一応こちらの言っていることが多少わかるらしいお兄ちゃんを隣から呼んできたがロシア語でしか喋らないので数字が聞き取れず、メモに書いてもらったところ「1500」スムだという。
まあどうせボラれてるんだろうなあと思いつつ前述の通り面倒なのでそれでいいことにして(所詮百円くらいのことなのである)、「2つくれ」といい、3000スム(1000スム紙幣3枚)を出したところ、受け取ったがなにやら「違う違う」と言いたげな雰囲気で笑っている。ビニル袋に商品は用意したようだが渡してくれない。
言っていることがわからないのでもう一度ペンと紙を出したところ「1,1500」と書いた。まさか一個1万スム以上だと言いたいのだろうかしかし先ほどは「1500」と書いたわけであるしなんぼなんでもボリ過ぎである(千円以上することになる)。「じゃあいらない」と言って払った紙幣を取り返そうとしたところ、なんか事情はよくわからないが返してくれず、やがて「仕方ないなあ」とでも言いたげにビニル袋をこちらに渡してきた。
なんだかさっぱりわからないがまあそれならそれでいいかと思って店をあとにし、バザールの屋根を抜けたあたりでビニルの中の商品を確認したところパンが3個入っていた。なんぞこれ(挨拶)。
というわけでウズベク料理編である。今回、ウズベキスタンは初めてという人二人と同行していたので、定番として使っているレストランに案内する。ちょっと表通りから入った場所にあってわかりにくいのだが(正確に言うと私は毎回車で店の名前を言って連れて行ってもらうのでいまだに正確な場所を知らない)、こういうしつらえの雰囲気の良い店である。ただしこの高床部分はいわば展示スペースであって客は案内されない。まあでも、昔風のチャイハナ(茶店)とかこういう感じなんでしょうね、ということで。
展開としてはまずサラダを数品。これはロシア料理店の場合とそう変わらないので詳細は省くが、次にスープを頼むか。定番は「ラグマン」という、まあ中国西方からこの付近に広く分布している羊肉のトマトスープうどん風麺入りなのだが、私は塩味スープの挽肉団子入りとメニューに書いてあるのにしてみたところ要はスープラビオリであった。うまい。さらに副菜としてちょいと何かを頼むのだが、今回は「サムサ」、餡入りの揚げパイで死ぬほど熱くて旨い。左はもうかじりかけ(というか残骸に近い)のだが、これは挽肉(多分羊)入り。他にジャガイモ入りとかカボチャ入りもあり、まあインドの「サモサ」に近いものである。このあたり、つまりトルコ系とインド系とペルシア系とアラブ系の食文化が入り乱れている上にロシア系の影響が乗っかったような感じで、世界はつながっているんだなあと日本にいるとあまり思わないことを実感する。前にも書いたと思うが、「ドルマ」に近い発音の・ブドウの葉で餡(挽肉や米)を包んで煮込む料理はこのあたりから地中海の方までずっと広がっており、たいがいどこも自分たちが本家だと主張しているあたりが趣深い。
さてメインは「シャシリク」で、要するに炭火で焼くバーベキュー。野菜ものもあるのだが、今回は羊肉と鶏肉と挽肉団子。レモンをかけたタマネギのスライスと一緒に食べるのが定番である。まあおおむねこのように肉々しい食文化であるので、特に羊の脂に弱い人にはけっこうつらい国なのだが、全体として食べ物はおいしいので(個人的ランキングでは本研究科の支援対象国の中の1位タイである)、機会があったら体験されると面白いと思う。なお夏に来るとメロンとスイカがとてもとても甘くておいしいのだが非常に腹をこわしやすいので注意。個人的にはリスクを覚悟しても食べる価値があると思うけど。
ちなみにこの国の最高額紙幣は1000スムで、いま公定レートで1ドルが1400スム強なのでだいたい65円くらいの見当。結果として、レストランの支払でさえ右写真のような有様に。麻薬取引じゃないんだから。このレストランは外国人観光客も多い=英語が通じる店員がいて衛生状態も良くて、従って高い店なのだがそれでまあビールを入れて一人千数百円くらいの勘定。それがこれ。
左はスーパーでお釣りにもらった50スム硬貨、約3円相当。一応硬貨が発行されているとは聞いていたのだが、はじめて見た。(3月8日公開)
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「シャシリク」ってシュシャリークなのですかね。ってまあウズベクはもともとトルコ系か……。羊寄りなところにイスラムぽさを感じます。確かにごはんはおいしそうだし、それに今はウズベク―中国な国際列車が一応外国人にも解放されているそうで行く気満々になりつつある今日この頃ですが、でも個人旅行者にビザが出にくいとも聞きました。ううむ。
あとパンの大きさがいまひとつ分かりにくいです。写真のが直径20cmくらい?
>鰤さん
ビザはもう日本の大使館で普通に出ると思いますよ。私は1年間のビジネス・マルチビザを持っていましたが、これでも普通に現地の旅行社に頼んだら取れたはず。
パンのサイズは直径20cmくらいで、これは現地で売っているものの中では小さいサイズになります。大きいのが30cmくらいかな。