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陰謀論

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湾岸戦争はアメリカの陰謀だと主張していた人に「でもきちんとした根拠が示せなければその主張自体が陰謀になっちゃうんじゃないですか?」と聞いたら「それは違う」と断言されたのだが何がどう違うのか最後まで説明してくれなかった件について(挨拶)。一応世間では哲学者として名の通っている人だったんだけどなあ......分析的思考はできない人だったけど(*1)。そんなことをふと思い出した。

さてその、民主党の小沢党首の公設秘書・会計責任者が逮捕されたという件についてなのであるが、事件自体がどの程度の広がりを持っているのかとか、どの程度の証拠・証言が揃っているのかといったような問題については今後の展開を待つしかないと思う。ただ、この時点で陰謀論を唱えるダメな人は洗い出されたのかなという感じ。

今のところは単に「逮捕」という事実があるだけでその背景情報はほとんど出てきていない。相手の手札がさっぱりわからない段階で「陰謀」説に正面から賭けちゃう人というのは、このあと仮に決定的な物証が出てくれば信用丸つぶれになるわけで、いまの時点で「小沢破滅」説に掛け金全額賭けちゃう人と同じくらい無謀だとしか言いようがない。スキャンダルとして騒ぎ立てる立場に陰謀説で対抗しておく必要があったとしても、そんなのはサンピンに名前の出ないところで言わせればいい話で、公党の幹部がテレビ映像で言わなければならない話ではない。まして「自民党の陰謀」という話にしてしまえば、黒幕扱いされた自民党だけでなく道具扱いされた検察(とその独立性・中立性を信じている人たち)まで敵に回して戦うことになってしまうわけで、どれだけ発言の訓練ができていないのか、としか言いようがない(*2)(*3)。

念のために言うと上記で私が問題にしているのは「現時点で陰謀論を公に口外すること」であって、「陰謀なのではないかと疑って考えてみること」ではない。そのような可能性を検討してみること自体は必要だろうし、表に出ている材料が少ない以上仮説としてですら馬鹿げているなどとは言えない。私自身も「検察は正義のみに忠実である」とか「検察は政治的動きをしない」とか断言する気はない。ただ私は、検察が政治的に動くとすればそれは検察自身のためだろうと思っているので(*4)、陰謀説については否定的である。復讐されたらどうするか考えないほど検察幹部も馬鹿ではあるまい。

まあ個人的には、上述の通りなんにせよ今後の展開を見ないと決定的なことは言えまいと思うので、捜査されるたびに「国家権力の陰謀」とか言い立ててた宗教団体が15年くらい前にあったなあなどと思い返してはにやにやしているだけなのである。

(*1) 正確には、「しているのかもしれないがちっとも表現できない人」かもしれない。
(*2) もちろん「私らはアイヌの血を引く蛮族だ」と発言したり経済対策を批判するのに「がん患者のモルヒネと同じ」という表現を使ってしまう人物のことなので、今更言うほどのことでもないという意見はあり得る。
(*3) この点、小沢党首自身は「国家権力、検察権力の行き過ぎ」というような表現は使っていても自民党・政府と検察を一体視するような言い方は避けていることに注意すべきである(asahi.comによる記者会見冒頭発言質疑応答)。ただその、「衆院総選挙が取りざたされているこの時期」(asahi.com)って取りざたしてたのは民主党とマスコミなんじゃないか政府与党がそんなこと言ったっけとか、陰謀論をめぐらすなら「そうかこういう爆弾があったから一日も早く指揮権を手に入れたかったんだね」てえ方が出来がいいんじゃないかとか、思ってしまったことではある。
(*4) 仮に結果的に現政権に好ましい行動を政府機関が取っているとして、その説明としては(1) 現政権が政府機関を支配しその行動に干渉している、(2) 干渉はないのだが政府機関が勝手にその帰結を自分にとって好ましいものと判断して行動している、(3) 現政権による干渉も政府機関の自己利益目的の行動もなく、法規に忠実に・厳正中立に行動していたら結果的にそうなったという三つくらいはあり得る。積極的な干渉の証拠を示すことなく・結果のみから(1)の仮説に飛びつくことは、従って、独断的で非科学的な推論と言われてやむを得ない。なおわかる人はラムザイヤー&ラスムッセンを想起すること。

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Comment(4)

匿名希望@野次馬にすらなる気になれん さんのコメント (2009年3月 5日 21:41):

>>ただ、この時点で陰謀論を唱えるダメな人は洗い出されたのかなという感じ。

これは政治家だけでなく、メディアも含まれるんですな。
意外と朝日新聞がちゃんとした記事を書いているのに対して、
おおや先生の地元の中日新聞および東京新聞はダメダメな感じで、
それに輪をかけて救いようがないのが共同通信といった図式になっています。
というか共同通信となると中日新聞をはじめ各地方紙に配信しているわけで、
それを考えるとああああ。
あと同じ朝日でも昨日のテレビ朝日の朝のワイドショーがあまりにひどかったらしく各所で騒ぎになっているらしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=P3gzq3AtJkI
というか、国策捜査ができるなら、ロッキードやらリクルートやら佐川とかは一体何だったのかと誰か突っ込みを入れられないのでしょうか。

というわけで、今の段階ではこの件そのものにはさして関心がありませんが、
現状では国政以上にメディアのダメっぷりが洗い出されたものととらえております。

匿名希望@やっぱり野次馬? さんのコメント (2009年3月 5日 22:03):

あと、本件と直接の関係はありませんが、
先日産経新聞が小沢代表が
「拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」
と発言をしたと記事にしましたが、
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090302/stt0903020008000-n1.htm
ついでにこれについて一言いただけますでしょうか。

追記。
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2009.03.05)

■記事は「正当な取材の結果」と産経新聞が回答

民主党の小沢代表発言に関する産経新聞記事に対し、民主党は産経新聞に「事
実無根の報道」との文書を送り、訂正と謝罪を要請した。(メールニュース
2009.03.03参照)。
この件に関し、産経新聞に問い合わせたところ、本日3月5日、産経新聞政治
部長から救う会に電話が入った。同氏は、民主党幹事長代理(民主党からの文書
発信者)に対し、3月4日、文書で「正当な取材の結果得られたもので、かつ裏
づけもとれているもの」という旨を回答したと報告した。

HR さんのコメント (2009年3月10日 15:50):

陰謀論を唱える人は困ったものですが、気になるのは、「でもきちんとした根拠が示せなければその主張自体が陰謀になっちゃうんじゃないですか?」と聞くことで、陰謀論者はへこたれるのでしょうか。

その哲学の先生はさすがにまともな学者なので口ごもってしまうわけですが、筋金入りの陰謀論者ならしれっと「大きな陰謀であればあるほど証拠は残さないものだ」と返答するのではないでしょうか?

私はその返答があながち間違いと断定できないところが、陰謀論の図太さと言うか、反証困難さを基礎づけているような気がします。ただ反証が困難であることはその説に実質的意味がないことをも意味するので、陰謀論者は決して「言い負かされない」のでいつまでも生き残り、ただ通常は一定以上に大きい影響力を持つことがないのでしょう。

廣野秀樹 さんのコメント (2009年3月13日 01:18):

 いろいろと勉強させていただきました。わたくし、表現力は未熟ですが、かような想いをかねて抱き、具体的に実践して参りました。お陰様に、改めて再確認するところがありました。
 プロフィールが見あたらなかったので、少し調べたのですが、法哲学者の先生だと知りました。

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廣野秀樹 on 陰謀論:
 いろいろと勉強させ
HR on 陰謀論:
陰謀論を唱える人は困
匿名希望@やっぱり野次馬? on 陰謀論:
あと、本件と直接の関
匿名希望@野次馬にすらなる気になれん on 陰謀論:
>>ただ、この時点で

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