LS教育と合格率

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「法科大学院の底上げ検討、必須科目の拡充を軸に」(Yomiuri Online)
司法制度改革で法科大学院の設置が決まった際、修了者の7〜8割は司法試験に合格することが理想とされたが、昨年の新司法試験の合格率は全体で4割にとどまった。個別では最高の千葉大法科大学院でも約65%で、一けた台の学校も目立った。教育内容が水準を満たしていないなどとして大学などの評価を行う独立行政法人「大学評価・学位授与機構」などから「不適合」とされた大学院は5校に上り、評価を受けた24校の2割を超している。このため、日弁連など法曹関係者から、コア・カリキュラムの策定を求める声が出ていた。

馬鹿なの? 馬鹿のふりをしているの?

たとえば医師国家試験のように一定の到達すべき水準があって・その水準を突破したものが全員合格する試験であれば、「合格率が低い」=「教育水準が低い」と言ってよろしい。しかし新司法試験は競争試験であって、司法修習の収容能力などの問題から合格者定員が定められている(制度開始時に1000人前後、完成時に3000人を想定)。たとえすべてのLSが理想的な教育を実現したとしても、学年定員の合計約6500人に対して合格定員が3000人であり、いわゆる三振制によってLS修了後5年間で3回の受験が認められている以上平均合格率は30%台にとどまることになる。つまりLSの教育水準と全体的な合格率のあいだには何の関係もない。平均合格率を上げるためには、学年定員を減らすか・合格者数=司法修習の収容能力を増やすかしかあり得ないのだ。「コア・カリキュラム」なるものを決めることが悪いとは思わないが、それが合格率云々とはまったく関係ない話だということは理解しておく必要がある。

もちろん平均合格率が受験者(=学年定員+前回・前々回の残り)と合格者の比率で決まることを前提として、ここのLSの教育水準がその平均からの上下という形で反映されることは間違いない。しかし大学評価機構が「不適合」とした5校のなかに一橋・北大・千葉といった合格率の非常に高いLSが含まれていることを踏まえると、この記事はほとんど支離滅裂である。

法科大学院制度の現状が望ましいとは私自身考えておらず、制度設計の理念と現実の乖離はある程度のLSが破綻することによって解消されることになるだろうしそれが適当であると考えているが(そして私としては自分の教えているところが破綻するなかに含まれないよう祈るわけではあるが)、それとこれとは別の話。法曹養成制度については現実の利害が絡むせいかとかくためにする話を振りまきたがる人々がいるわけで、まあその人たちについてはご商売でもあるので仕方ないところもあるが、そのでたらめな言い分を真に受けて記事にしてしまった側は恥ずかしいなと、そう思うわけである。


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Comment(2)

gk さんのコメント (2008年6月 8日 03:22):

いや、まったく。
もう全体に酷い話で。最低限仕組みをきちんと理解してから煮るなり焼くなりしてくれというのが現場としてのアレでございます。

おおや さんのコメント (2008年6月26日 00:23):

>gkせんせい
お疲れさまでございます。私は幸いLS教育には基本的に部外者なので、こちらでも当事者では言いにくい本当のことを世間さまに言っていやがられようかなあと思っております(笑)。

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>gkせんせい お疲
gk on LS教育と合格率:
いや、まったく。 も

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