不在届(1)

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ようやく3月が終わったと思ったら即日動員が下令されたわけですが何か(挨拶)。というわけで書類提出締切までのあいだ拘束されておりますのであまり反応できません。あしからずご承知おきください。なんか去年もこんなことがあって自分の研究助成の書類書けなかったんだよなあと思うわけですが。どうなのかいろいろと。

でまあその、ちょっとだけ補足。

まずMIAUのプレスリリースについてはああ止まらなかったかという感じ。あくまで個人的な意見だが、情報関係にはすでに既存の圧力団体(別に悪い意味ではない)というのがいろいろあって、資金もあればプロを動員して知的・理論的にも武装している。もちろん問題はそれらがおおむね権利者サイドの団体であるということで、だからこそ利用者サイドの団体を作るべきだという志向には賛同するのだが(なにせ私は犯罪者組合の可能性を真面目に主張した人なので正当な利益集団の構築を評価しないわけがないのであるが)、そういう既存の集団に対抗していくには同じくらい武装しないとダメなんじゃないかと思っている。もちろん知的・論理的にではなく人民の数で武装しますという選択肢もおそらくはあり、だとするとこのあたりが一つの分岐点だったのかねえと振り返ることになるのかもしれないが、そちらはおそらく私とはあまり関係のない方向性なのでわりとどうでもいい。

で、そのMIAUの発起人でもある小寺信良氏が「臭いものにフタをしても、何一つ解決しない」(ITmedia)で以下のように述べている。

例えば個人サイトのコメント欄に、有害情報が書き込まれたとする。それを知ったら、会員制にしなければならないのだ。もしくはトップページを作り替えて、「あなたは18歳以上ですか」「はい」「いいえ」といった選択肢を設けるとか、フィルタリングソフトを作っている会社に電話とかFAXとかで、「すいません、僕のサイトこのたび18禁になりましたので、フィルタのブラックリストにうちのURLを載せていただくわけにはまいりませんでしょうか」と連絡しなければならないわけである。笑っちゃうよね。いや笑っちゃイケナイか。敵は大真面目なんである。

正直どういう顔をすればいいのかわからないのだが、消すだろうそれは普通。たとえばこのブログのコメント欄に有害情報が書き込まれたとして、私にはそれを許容する意思がないわけであるが、にもかかわらず発信者の「表現の自由」を優先すべき理由など何一つないのではないか。でまあ消すが、それに対して「表現の抑圧だ」とかどこぞのぼんくらに文句を付けられる可能性というのを考慮すると削除を正当化する理由を与えてくれる今回の法案ありがとうございますという結論しか出てこないような気がする。もちろんここで《とにかく書き込まれてはいけない義務》とか《書き込まれたら即刻消さないといけない義務》を課されたら常時監視以外の方法でそれを実現するのは困難なのでたまったものではないわけだが、小寺氏も書いている通り義務は「知った時」から発生するので、まあ自分で見るか誰ぞからのタレコミをいただくか、とにかくその時点から真摯な対応を取れば義務は果たされたことになるわけである。これそんなに無理な話だろうか。ちなみにニフティサーブ事件によれば、掲示板の管理者等には名誉毀損的発言があったことを知った時点から問題解決への真摯な取り組みをする条理上の義務があるとされているわけだが。あと念のために言うと、「法案」によれば個々の管理者が義務に違反した場合には刑事罰規定はないので、そのように。

他方、私が有害情報ウェルカムなサイトの開設者であったと仮定すると、うんいや会員制かフィルタリングの対象にした方がいいんじゃねえ? 少なくとも今回の規制が必要であると考える人たちは、そう言うよな。結局誰が・どういう場面で困って、それがどういう理由で不当であるのかを説明することに小寺氏は成功していない。というかむしろ具体的な場面設定を曖昧にして状況とそこに適用される法規制の対応関係を隠蔽することによって、あたかも無辜の人に不当に重い規制が課せられるかのごときイメージを描き出しているわけだ。「笑っちゃうよね。いや笑っちゃイケナイか。」

残る問題は、小寺氏が馬鹿だから真面目にこういうことを書いてしまっているのか、デマゴギーであることを自覚しつつ動員のために不誠実な言説を展開しているのかということだろうが、正直私としてはどちらにせよ読む価値はないというだけのことであって、それ以上はどうでもいい。

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というか、一言どころか、さんざんコメントを書いてきたわけだけど、ここらでちょっとまとめておこうかと思ったら、大屋雄裕氏が2つもエントリを上げていて(「不在... 続きを読む

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