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指紋採取はじまる
受講生がウズベク人×3・カンボジア人×2・モンゴル人日本人各1(挨拶)。なお使用言語は英語でテーマは法整備支援と近代法の理論。いや大学院国際開発研究科の科目ですが、毎回私が喋って質疑という形式なので週1回90分ほとんど英語で話し続けるという状況に。え~外国語の上達のためには(1)定期的に使う、(2)その言語に浸る(会話・読解・思考まで全部その言語でやる)、(3)喋れないと死ぬというほど追い詰めるなどの方策が知られているわけですが、上記のシチュエーションはそのすべてを兼ね備えているような気がするのでおすすめではないでしょうか。だんだん慣れてきた。
さて『自由とは何か』の時点では法律化されていたものの未実施であった入国審査の強化、すなわち両手人差し指の指紋採取と顔写真の撮影がついに導入されたとのこと(asahi.com)。でまあ案の定ただちに「欧米やアフリカ諸国など約70の市民団体の共同署名で「指紋採取の強制は世界で最悪の国境管理だ」とする声明を法務省と鳩山法相にあてて送付した。」(同上)という話になっているわけだが、いやアメリカでとっくに同じことやってるわけで「最悪」とか言われてもなあ(まあ最悪タイという言い方はあり得るか)。「日本が導入すれば他国も追随し、日本人も指紋を採られるようになりかねない」とか言われてもだからそうなってるってば。有体に言えばアメリカが導入して日本が追随したんだから(そしてそれは同レベルのセキュリティを実現しなければアメリカへのビザ免除等々から除外されてしまうというサンクションが背景にあるわけだから)ヨーロッパについてはともかくアメリカの市民団体には自分の国をどうにかしてから来やがれと言いたいような気もする。
いずれにせよポイントは、日本人の少なくともある程度の人数はこの制度を実際に体験しており、それでもなお日本全体としてはこの制度の導入を決めたという点にあるだろう。つまり完全に他人事だと思ったとか右も左もわからずに賛成したというわけではなく、それがもたらすデメリットとか不快感とかを理解した上でなおそれを選択した人は、おそらくいるわけだ。監視は人々に幸福をもたらす可能性があるし、人々自身に求められる可能性がある。そのことを正面から見据えずに反発するだけでは意味がない、というのがあの本の一つのテーマだったわけですな。
ところでそこでの枠組で言うならば指紋採取と写真撮影というのは事後規制を容易にする監視手段の典型であって、こと自由への制約という観点で見る限り事前規制のための監視にくらべてはるかに問題が少ない。外国人の自由旅行が許されない国とか常にガイド(という名前の監視員)の同行が義務づけられる国とかあちこちにあるわけで、正直どこが最悪やらと失笑を禁じ得ない。こういう人たちの「世界」ってのは多分20カ国くらいしかないな。
ところで上記の指紋採取がはじまった翌々日にはこんなニュースが。「米入国の外国人、両手すべて指紋採取 入国審査厳格化」(asahi.com)。今月29日から順次主な空港で始まるそうで、え~どうやら我が国は10日足らずで「世界最悪(タイ)」の座から転落するようです。そういう次第ですので市民団体の皆様におかれましてはすみやかにアメリカにご移動ください。またね~。
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