立法学シンポジウム

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9月1日に「より良き立法はいかにして可能か: 立法の実践・制度・哲学を再考する」というシンポジウムが開催されるそうです。主催は日本学術会議・法学委員会・立法学分科会、共催は師匠の科研費プロジェクトであります。「広くご案内するように」という指示が(師匠と違うところから)ありましたのでご紹介する次第。会場は乃木坂の日本学術会議・1F大ホール、9:30開場で閉会は17:00の予定だそうです。詳細は日本学術会議のイベント情報のページからリンクされていますが、ポスターはともかくなんで内容案内までPDFにするかねいったい。一部簡単にして文字に起こしておきますよと。

公開シンポジウム
  より良き立法はいかにして可能か
  —立法の実践・制度・哲学を再考する—
日時 平成19年9月1日(土) 10:00〜17:00
開場 日本学術会議 1F大ホール
   (千代田線乃木坂駅 出口5から徒歩1分)

司会進行(井田良・刑法)
午前の報告(10:00〜12:10)
 趣旨説明・問題提起(井上達夫・法哲学)
 憲法学の観点から(高見勝利・憲法)
 立法実務の観点から(川崎政司・参議院法制局)
 民法学の観点から(加藤雅信・民法)
午後の報告(13:30〜15:00)
 労働法学の観点から(濱口桂一郎・労働法政策)
 刑法学の観点から(松原芳博・刑法)
 法哲学の観点から(谷口功一・法哲学)
コメント(15:15〜15:55)
 (西原博史・憲法、山本和彦・民事訴訟法)
パネル・ディスカッション(15:55〜16:55)

私個人の興味関心からいうと、実は明日もそういう話に関係する案件なのですが法整備支援というのは解釈論で間に合わないところが大きいわけで、まあそりゃ法律がないから整備しようてえ話なんだから当然そうなる。じゃあどういう法律を作るのが正しいゴールで、そのために具体的にどういうことをやっていったらいいかというのは正直なところ理論的な蓄積があまりないわけですよ——「何をやってはいけないか」はアメリカのすることを見るとよくわかる、とか悪口は言えるんですけどね。法律の条文を技術的にどう整えていくかという点ももちろん重要で、そこは内閣法制局えらいよねえという話ですが、その周囲を法学的にどう扱っていくかというのは実は国際支援の局面においてかなりのhot issueだと思っています。

これは国内においても本来は問題にすべきことで、というのは第一にもう先進国キャッチアップの時代というのはとうに過ぎ去ってしまい、真似るべき範例というのはなくなってしまっている。第二に分配のためのパイがどんどん広がっていくという状況にはなくて、むしろ縮小していく痛手をどう分け合うかという問題が中心になった結果として社会のなかの利害対立が先鋭化してきている。それは政治において調停すればいいかというと多数派が数の力で無理筋を押し通すとか、逆に少数派を黙らせるための譲歩が根幹部分に傷を作ったりする可能性もあるわけで、やはりどこまで民主政に許していいのか・どこまではその外側に留保されなくてはならないかというような問題を真剣に考えなくてはいけなくなっていると思うわけです。

というわけで時宜を得た企画であるというべきだとは思うのですが、前に触れた通り衆参両院でイニシアティブを握る勢力がまったく異なるので国会運営はおそらくデッドロックに乗り上げるわけで、数年は対立点を回避した問題先送り型の立法になるんじゃねえかという気も多少。いやそれならそれで今のうちに研究を進めておきましょうという話もできましょうか。とにかくご関心の向きにはご来訪をお願いするところであります。

***

なお私もふつうに参加者として会場には行く予定ですが、前日まで日本法センター夏季セミナーの見学旅行に同行し、翌日朝からまた出張とかいう日程なので客席で死んだようになっているのではないかと今から予測されるところであります。いつ洗濯するんだいったい。

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