あららの話(1)

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えらいひとたちの前でやるプレゼンの準備と自分の本の校正といつもながらの行政負担と、ほかにプライベートで2〜3件処理すべき案件を抱えているとなんだかわけがわからなくなってくるわけであって、もちろんたとえば弁護士さんや裁判官さんあたりに言わせればその程度の問題件数で何を音を上げているのかという話になるのだろうが第一に私は補助者も何にもなしの独力で仕事をしているのであり、第二にそもそもそういう世俗的な仕事が苦手だから学者などになっているのであって(挨拶)。というわけでなんだか世間のモノゴトについていけていないのであるがこの間にいろいろあららという出来事があったようであるので簡単にフォローする。

第一はもちろん参議院選挙の結果であって、簡単にまとめれば以下のようになるだろうか。

  • 二大政党化の傾向がさらに強まった。
  • マスメディアはまだ結構頑張っている。
  • 共産党は弾丸のばらまき方をもう少し考えた方がいいと思う。

朝日新聞などは「与党惨敗」といって大層な喜びようであり、実際に獲得議席数で見ればその通りなのだが、比例代表の得票率で見ると「自民・公明」の合計と「民主」でほぼ同水準であり、議席数の印象ほど与野党の格差が開いたわけではない(もちろん自民単独で民主に負けたとか、与党合計でも匹敵する程度まで迫られたという点で、たとえば先の衆議院選挙に比べれば与党から民主党へ大きく票が動いていることは間違いない)。ではどこからこれだけの獲得議席数の差が出ているかというと、これは報道でも指摘されている通り、一人区である。

選挙区ごとの当選者を見てもそうなのだが、まず二人区はほぼ無風であって自民・民主各1で終わりである。ある選挙区の有権者が「だって候補者が自民・民主・共産・新風なんだからどうしようもないよねえ」(大意)と書いているのをどこかで見たがまあその通りであって、ちょっとやそっとの「風」ではこういう選挙区は動かないだろう。

三人区・五人区についても状況はあまり変わらなくて、自民(場合により+公明)・民主で1:1ないし2:2を獲得し、最後の一人をどちらが取るかという話になっている。これもあまり状況が大幅に変わりそうにはない。そうなると選挙全体としては偶数部分を自民・民主で分け合ったあとで残りの一人区・疑似一人区をどちらがどれだけ取るかという話になって、なんか小選挙区と変わらない。得票率が拡大して議席数に反映されたのもむべなるかなという気はする。全体的に第三政党以下が割を食ったのもこのせいで、公明党の議席獲得数まで落ち込んでいるというのはちょっと驚いた。

で、だから一人区が勝負だと見抜いた選挙戦を展開した小沢民主党党首の炯眼、とは言うべきだと思うのだが一人区というのは基本的に地方であって、そこで勝って議席数が増えたからえらいというのはそうなのだが、民主党って都市政党だったんじゃなかったかしらんという気もする。比例代表の当選者を見ても後援組織の代表が中心であって、要するに組織選挙とドブ板選挙で勝っている。いやもちろん勝ったからえらいし、なるほど小沢代表の得意な形かもしれんと納得するのだが、なんか昔に比べて自民党と民主党の立ち位置が180度入れ替わってしまったような感覚も残る。

最大の問題だと思うのは、いやこれは特定の誰かのせいだというわけではないのだが、これ国会運営どうするのかなあという話である。もともと日本の国会制度は運営に関するルール的な規律を欠いているところがあり、同じ大陸型の議院内閣制であるフランスやドイツと違って行政府(内閣)が議事運営に関与する仕組みを欠いている、とは大山礼子先生のつとに指摘するところである。かわりに議院運営委員会が与野党のコンセンサスを重視して調整してきたわけだが、衆参両院でイニシアティブを持つ政党が異なるということになると、これはいったいどうすればいいのか。「保革共存政権」もフランスやアメリカのようにその事態を予定し、トラブルになった場合にどちらがどのような権限を持っているのかを規定してある国ならまだなんとかなるのかもしれないが、たとえば参議院が衆院の送った法案を全部否決したり審議拒否して棚ざらしにしたりしたらどうするのか。片っ端から両院協議会開いているわけにもいかんだろうというか、そもそも両院協議会でどういう手続で何を議論するのかとかも明示的なルールないんじゃなかったっけ。まあ政治家がそのなかで右往左往するのは自分たちがもたらした状況なので仕方ないといってもいいのだが、付き合わされる霞が関のひとたちはかわいそうだなあ。

で、さらにそもそも論をするとウェストミンスター型に似た議席数獲得比を拡大しやすい制度を両院で採用してればこうなるわな、という話なのではあった。衆院は完全小選挙区・参院は完全比例代表に移行するとか(で前者の優越をきちんと明示する)、現状のままなら議院運営のルールをきちんと明記するとかしないとぐだぐだのデッドロックで2年間かなあ、とあまりぞっとしない予想に行き着くわけである。やれやれ。(31日に書きました。)

***

なお処理すべき案件の一つはハノイにできる日本法教育研究センターのネットワーク配置計画のチェックとかであり、もう一つは実家に光ファイバを導入してIP電話にしてしまうぞ計画に関するNTTとの調整とかである。毎度毎度繰り返しているが、私の専門は何なのか、いったい。

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コメント(2)

まさしくご専門ではないでしょうか >ネットワーク

>Vampire.S氏
……いやわたしWindows Serverのこととかメーカ製サーバの価格水準とかさっぱりわからないんですが。もうなんか、俺がかついで持っていくのではいかんのかとか小一時間。
# しかし別の機材をかついでいく仕事があるのでダメらしい。

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