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泡沫やあわれ(3・完)

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さてここまで引っ張っておいて何なのだが本件で一番面白いのはこういう人がこういう主張をしましたという点ではないな、というのはすでに書いた。私が一番興味深かったのは、裁判員の忌避制度を問題だと考える保坂氏が「法曹三者で国民の思想信条の自由を侵すような『許しがたい設問』をつくりあげていた」(強調引用者)のではないかと疑い、「裁判所が公平な裁判をするかどうか」を問わざるを得なかった点にある。

だってなあ、裁判員法は国会で全会一致で成立したんだし、成立当初から現在に至るまでこんなとこ問題になっとらんもんなあ。それが実は問題だと思えば自分以外の全員が示し合わせて悪に加担してるんだという陰謀論を信じるしかないわなあ。そうなるとつまり、正しい公平な裁判をするためには自分か自分と同じ意見を持っている人間に任せるしかないという理屈になるわなあ。それなんて独裁?

まあ個人的には山の中で総括をはじめるまであと一歩かなとニラニラしながら見ている部分があるのだが、国家を信用せず、政権与党を信用せず、あたりまでならまあ「確かな野党」でよろしいわけであるが、裁判所の中立性も疑い、さらには往々にして最高裁・法務省と戦っている弁護士会ですら自分と意見が異なれば「法曹三者」という陰謀の一翼に組み込まれてしまうわけである。こうして支持者・手を組める相手を自動的に削っていくことによってカルトができあがっていくんだなあというプロセスを目前に見せてくれたあたりが非常に面白い。

その動力源になっているのは自分が正しいという確信、無謬性への信仰だろうけれどもそんな能力まったくねえよ、というのはそもそも最初から公平性を理由にした忌避と理由なしの忌避の話を完全にごっちゃにして論じているあたりで明白である。というかまあぶっちゃけると自分の正しさを確信してる人間が一定以上能力を伸ばせるはずはねえのである。

でまあそういう生き物は生き物で私と関係ないところでうろついている分には愉快な見せ物であってよろしいのであるが、同じような体質の疑う能力のない人々が群れ集ってコロニー化してしまうインターネットのバルカン化現象というものをどうしたらいいんですかね、というのがより本質的な問題ではなかろうかといういつもの話になるのであった。おわり。

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TK さんのコメント (2007年5月31日 18:39):

「多数の横暴」を叫び、議事を妨害する人達。多分、正しい事をやっているんだと確信して居るんでしょうが、それって「少数の横暴」だと思うのですが。。。(日本も、議会制民主主義の本家イギリスを見習って、カンガルーやギロチンを導入したら、と思うのですが)。
国民投票法の成立に際し、「急いで制定する必要はない」と言う方。憲法が出来てもう60年経っているんですが(国民の最も重要な権限である、憲法改正発議に対する国民投票について法律を制定せずに居た、というのは、国民の参政権を制限するに等しいのですが(別の法律を制定することなく、公職選挙法を廃止して、「選挙に関する法律が無いので、国会議員の選挙はできません」って言うのと同じだと思うのですが。。。。)。

万年野党がやるならともかく、政権奪取を目指す野党がこれでは、お先真っ暗です(でも、みんな、自分達は正しいことをやっていると信じているから、質が悪い)。

名古屋市民 さんのコメント (2007年6月 4日 22:17):

今日の中日新聞夕刊についてもひとことお願いします。

おおや さんのコメント (2007年6月 6日 12:32):

>名古屋市民さん
そんなチラシの裏は見ませんが(笑)。と書いたけど気のいい私は給湯室まで行って読んできました。でまあ、チラシの裏でしたな。
すごいなあと思ったのは二点で、刑事裁判の話なのに刑法学者・刑事訴訟法学者のコメントが一切載っていない。まあ保坂氏の主張が学会ではまったく相手にされていないことの現われかもしれませんが、最初から取材しなかったのか期待したような取材ができなかったのか、どちらにせよそれでも刷っちゃうあたりやはりチラシの裏レベルでしょう。
もう一点は、コメントしている憲法学者の井口秀作氏で、まあ内容のレベルが低いこともさることながらこの方『世界』5月号の憲法特集では国民投票法の問題について(あの特集ではおそらくもっともレベルの低い)論文をお書きであり、いったいご専門は何でいらっしゃるのかしら?

でまあ思ったのはこの人たち自分のことをマイノリティだと思ってもいなければマイノリティのためになることをしようとも思っていないのだな、ということでした。制度を自分たちに有利なように使っていくためにはどうするか、という視点がまったくないというのもさることながら、既述の通り、候補者の先入見を問わないことにすれば確率的には少数派が不利になるだけなのにな、という話です。

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