日本法哲学会(2・完)

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さて一日目午後から二日目にかけては統一テーマでの報告とシンポジウムであるわけですが、私は月曜の仕事の都合で二日目昼で失礼して名古屋に戻りましたので報告までの感想のみ。前述の通り統一テーマは「法哲学と法学教育:ロースクール時代の中で」だったわけですが、

率直に言うと「特にLSを中心とする法学教育全体の評価」「LSを作[ら|れ]なかった法学部の将来」「LSにおける法哲学教育のあり方」といった論点が混在していて焦点が絞られておらず、なあんか散漫な議論だったという印象がある。しかも第三の論点については「法哲学者として」という立場がそれなりに共有できるのではないかとも思えるがそれ以外についてはかかわりの切実さとかその問題における自身のポジションとかがそれこそ会員ごとにさまざまであったと思われ、たとえば正直に言うと「LSのできなかった法学部の将来はいかに」とか聞かれても「知らんがな」の一言である。ウチには現にLSがあるからという理由もあるが、まあそれは横に置いておいても激化する大学間競争の中で本学部ならではの特徴というのを打ち出して地位確保に取り組んできたりしたわけであり、そんなんトレードシークレットだから表で話せるわけねえだろうという話である。

ご当人にどのくらいの意識があったのかわからない。しかし我々には法哲学者としてなら共通利害があったり同胞意識があったりするかもしれないが大学のマネジメントに携わる存在としてはライバルなのであり、まあもちろんライバル同士でも連携したり情報交換したりする可能性を排除するべきではないが、「ウチはこんな戦略考えたんですよ〜」とか言われてもにこやかに「がんばってくださいね」としか言いようがないではないか。コメンテータの人が端的に言えば「それ無茶だろう」というご指摘をされていて非常に良心的だなあと思ったのだが、間違いを指摘してあげるのも情報の贈与なので、やさしくない私としてはそれもしたくないなあと思っていたわけである。

LSでの法哲学教育実践と、アメリカのLSにおける法哲学の位置付けの二報告については、よく準備された好報告であったと思う。その分ともすれば原稿朗読になってしまい聞きづらい点なきにしもあらずという批判もできようが、学術大会であってお好み演芸会ではないので話芸で乗り切ればいいというものではないだろう。どちらの側面から見てももっとも聞きごたえがあったのが三人のコメンテータによる部分であったというのは、もちろんお前外から勝手に文句ばかり言いやがってというお叱りを受けるところはあるだろうが、どうにかならんもんかしかし。(2007.01.03公開)

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