売買春の合法性

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2日間で6コマ授業すると酒飲んで寝る以外の欲求を持てなくなるわけですが(挨拶)。しかも月曜は演習3コマで4時間半のはずなのに結局合計7時間くらいやってたもんな。え〜、リクエストにお応えしまして若干論じます。

売買春について言うと、もちろんそれを認めた場合の副作用の指摘は多くあるわけですが、仮に本人の完全に自由かつ自発的な意思に基づく売春行為であることが確認できる場合を想定したならば、それを禁止する根拠はないというのが私見です。もちろん児童売春の禁止というのはここから逆に出てくるわけで、「完全に自由かつ自発的な意思」の有効性が認められないからですね。ポルノグラフィ一般の問題と児童ポルノがまったく違うのもこの点です。「マグロなのに同一の報酬を受けるのが詐欺的だから」というのは大石氏のジョークでしょうが、若いからマグロに違いないと考えるのは無根拠な憶測であり未成年者に対する差別であると***Deleted for the Security Reasons***(野暮な人が出るといかんのできちんと書いておきますがこれはジョークであり、私にはプロの経験も未成年買春の経験もありませんから両者の比較などできないのであります)。

問題は、もちろん、市場で自由に取引されるようにすれば「完全に自由かつ自発的な意思」が形成されるかという点にあって、つまり市場において私はいかなる商品を買うことも自由であるが、実際に金を持っていなければその自由は抜け殻に過ぎないわけです。同様に、金がなくて飢え死にするかどうかという状況に追い込まれれば「自由かつ自発的」に売春をするという選択肢を選ぶでしょうが、これが本当に「自由かつ自発的」の表現に値するのか。コメントで指摘されている途上国からの流入というのも同様の問題ですな。「金がないのは首がないのと同じ」というさいばらりえこせんせいの言葉は市場における真理なわけです。

ではどうするか、というとこれは基本的に国家介入がスタンダードであって、つまり不当な雇用契約を強制されないように労働法による規律を加えて契約自由の原則を制限したり、借金によって飢え死にしたり不当な労働を強制されなくて済むように生活保護や破産という制度を設けているわけです。「国家が介入する」と言ってもこのように、市場の失敗を修正するための最小限度の介入を行なう場合と、それを超えて特定の理想や価値観(善の構想)を強制する場合とは区別して考える必要があるでしょう。大石氏は、「性文化は宗教や政治の支配を受けるべきではない」という原則論と「資本の論理」に対する懐疑の間で悩まれるわけですが、「市場の健全性を保障するための最小限介入」という考え方はどちらとも矛盾しないでしょう。

さて、その上で売買春の合法性についてどう考えるかというのは難しいところで、結局、(1)合法化したとして労働条件等を本当にコントロールできるのか(念のために言うと、非合法であれば暴力団等が運営に関与するというのは真だが、合法化しても暴力団が関与できなくなるわけではない)、(2)金銭の力による支配がどの程度現実に問題化するか、(3)社会の中に正当化可能な需要がどの程度存在するか、といった要素をにらんで個々の国家が選択していくしかない、とは思うわけです。(1)(2)の問題が深刻である一方(3)はそうではない、と考えれば全面禁止を基本に据えていくことを選ぶでしょうし、その逆なら合法化してコントロールしていくことになるでしょう。

日本ではどうか、というのは証拠によって論じるべきことですからここでは言及を避けておきます。ただ、経験的事実を問題にするまでもなく売買春は違法化されるべきだというのは、(1)それが合意に還元できない理由によって「悪」なのだから許されるべきではないと考えるタイプの自然法論か、(2)「自由かつ自発的」な状況で女性が性を売ることを選択するはずはないと想定するタイプのフェミニズムか、しかないのではないかと思います。もちろん、自由かつ自発的な個人の自己決定を擁護したいところの私としてはどちらも支持しないわけですが。(5月31日に書きました。)

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大石さんは、実際に買って体験してみてこう書いているのだろうか? 吉里吉里人 井上ひさし 大石英司の代替空港: 買売春はなぜ違法なのか?大前提としては、未成年相手の買春 続きを読む

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私の身勝手な要望にお応えいただき厚く御礼申し上げます。
私の能力の不足より完全な理解には至りませんでしたが、
「自由」という論点が整理できたことは大きいです。
重ねて御礼申し上げます。

 初めましてこんにちは。
 いつも大変興味深く拝見しております。
 本ログも非常に面白く読ませていただきで頭のなかがずいぶん整理されたわけですが、それでもいくつか質問があります。

>もちろん児童売春の禁止というのはここから逆に出てくるわけで、
>「完全に自由かつ自発的な意思」の有効性が認められないからですね。

 おおやさんのご専門であります法哲学の世界では、「未成年」ないし「児童」というのはどういう位置づけになっているのでしょうか? というのも後段で少しだけ論じられている「未成年者の売春」に関する問題があるわけです。いわゆる援交ですね。
 未成年ないし児童には、「自分の体を売って利益を売る権利」というのは認められてないのでしょうか? 「完全に自由かつ自発的な意志が備わっていないから、その権利は認められていない」というのであれば(まあおそらくタバコとか酒とかと同じ理由でダメなのでしょうが)、例えばTVの子役とかはどうなのでしょう?
 さらにいえばそれ(19歳には認められず20歳なら認められるというのであれば)は、人権上の差別では?
(いやまあ差別なら差別でいいんですけれども)


 また、売買春の合法化についてですが、おおやさんは「不当な労働」と主に供給者側(店側)の権利を主眼に置いて考えておられるようですが、私はむしろ需要者側(客側)の権利問題のほうが大きいと思うわけです。

 どういうことかというと、売買春を「商取引」として考えた場合、非合法化されている現状では、おっしゃられているとおりヤクザやそれに近しい悪徳業者の跋扈があるわけです。それは労働者側に悪影響を与えているだけでなく、客側に対し、ボッタクリや美人局や性病感染や契約不履行といった実情があったりします。たぶん。
「悪徳業者」については、「個人営業」というのも含まれていて、特に援交などは見聞きした範囲では、女の子ひとりで営業してたりするケースがある。

「そういうリスク込みで買春をしているんだろう」というのも一定の理路があるのですが、しかし性病などは命のリスクまであったりする。それは商取引としていかがなものか? とも思うわけです。

 いっぽうで「売春婦(と傭兵だったかな?)は人類のもっとも古い職業」と言われるとおり、人類史のほとんどの社会で見られる行為であったりするわけでしょう。「社会の中に正当化可能な需要がどの程度存在するか」どころではない。ずっとあり続け、事実いまもあるわけです。そうなると(国家による)「市場の健全性を保障するための最小限介入」というのは、もうちょっと積極的になるべきなのではないかなあ、と思う次第です。
 そういえば私の知り合いが「売春婦は全員公務員にするべきだ」と主張しておりました。まあ現実味はおいといて(公務員削減、民営化論議かまびすしい昨今)、論理的に考えた場合「監督省庁を置いて管理指導」くらいまでは視野に入れるべき問題なのかなあ、とも思っております。

 むうう。なんか後半は質問というよりグダグダと感想文みたいになってしまいました。お許しくださいませ。

こんにちは。近年の研究にあたったわけではないので不見識があればご容赦いただきたいのですが、諸外国に行って各国の男の働きっぷりに注目してみると、日本の男というのはいろいろ言われていてもなお、実によく働いていると思っておりまして、そしてそれは、日本で売買春が非合法であり、また、風俗に対して比較的規制が行き届いていることと、無関係ではないだろうと思います。売買春が「おおっぴら」に可能になっている国ほどそれに頼って働かない男が多いように思います。あまり健全という言葉は使いたくないのですが、それはやはり不健全だろうと。

世界的にはそのような傾向があるような気もします。
が、国内に目を向けると、名古屋近辺の男性は良く働いていると思いますが、
しかし名古屋近辺は風俗のメッカですよねぇ。

そもそも現代日本では(だけといってもいいかもしれませんが)『萌え』産業をはじめ直接・間接的な売買春以外の形による「性の商品化」が相当量あり、それを考えれば日本で売買春が「おおっぴら」でないとはとてもいえないのではないかと。
むしろより多く購入するためによく働くと考えたほうが***Deleted for the Security Reasons***

ここから先は、おおやさんのスコープ外になるかもしれませんが、御参考までということで。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4759260862/503-7569564-1787151?v=glance&n=465392

この需要は「自由かつ自発的」なのか、
「自由かつ自発的」ならば供給してよいのか。

>ショータさん
まず極端な例を挙げますが、3歳児に「アメ買ってあげるから奴隷になろうね」と持ちかけて承諾を得たとして、この合意に基づく奴隷契約の有効性を認めていいとは、おそらくほとんどの人は考えないでしょう。というわけで、成長段階のある時点までの「子供」には完全な自由意思に基づく合意を行う能力を認めない、というのは一般的なことです。たとえば日本法では(若干の例外がありますが)民法上の成人は20歳であり、それ未満の未成年者が行った契約は保護者により取り消され得ます。いわゆる援交というのも役務提供の契約ですから(請負か雇用かを詳らかにしませんがまあ売買ではない)、未成年者にはそもそも完全な契約を結ぶ能力が認められていません。「自分の体を売って利益を得る権利」がないというよりは、そもそも自己決定の自由が認められていないわけですね。
子役などの例についていうと、まず保護者の同意があります。さらに、労働法規によって労働条件が規律されており、年齢に応じて何時以降の深夜労働を認めないとか、国家による規制が加えられています(数年前、えなりかずき氏が生放送のバラエティ特番の途中で帰ってしまうということがありましたが、それはこの規制によって22時以降の就業が禁止されていたからだと記憶しています)。これと同様に、保護者の同意と国家規制を前提として未成年者の売春行為を認めるという選択肢は不可能ではありませんが、それは現在の援交(の大半)とは異なる行為だと思います。
さて、それが差別に当たるかどうかという点については、禁止されるべき不当な差別というのは異なる取り扱いをすることに合理的な根拠がない場合であり、逆に言うと差異に応じて適切な区別を設けることは問題になりません。たとえば成績に応じて入学資格の有無を決める、男女別のトイレを設けるなどは、「異なる取り扱い」ですが不当な差別とは言えないでしょう。
未成年者の問題について言えば、もちろん個々人によって精神的・肉体的な発達の度合いは異なるわけで、年齢という基準のみを用いて区別することが完全に正しいかには異論があり得ます。しかし、たとえば「統一成人資格試験」を実施して合格者のみに権利能力を認めるというような制度を実施するには膨大なコストが必要になりますし、その基準をめぐって社会的な合意が成立しない可能性も高いと思われます(たとえば、生活が自立して行えることを基準に入れるべきだと考える人と、学生やニートにも正常な判断力はあると考える人が対立するでしょう)。そういった混乱を避け、安価にある程度妥当な判断を行うためには、年齢基準が妥当であるという考え方が多くの人々に支持されてきたから、飲酒喫煙の可能になる年齢にせよ権利能力にせよ、年齢によって決められているわけです。もちろん、手間をかけることができるしそうした方がいい場合には個別の審査が行われるわけですが——裁判の証人になるような場合、未成年者であってもその能力や信頼性を評価して証言の能力を認めることが多いですし、(旧)司法試験は年齢を問わず一次試験に合格すれば二次以降を受験することができました(大学の教養課程を終えていると一次試験は免除)——全員に対してそのような処理を行うのは無理だ、とそういう話です。
需要者側の権利問題というのは重要な観点ですが、おそらく問題になるのは、財の代替可能性が高いという点だと思います。つまり、もちろん社会的には性に対する一定の需要が存在するわけですが、それは売買春によってしか解消できないものではなく、現に日本でそうであるように売春類似の行為(性器への挿入を伴わない性的サービスの提供)によっても(完全に、ではないかもしれませんが)満足されるわけです。そもそも男性の場合、他者からのサービス提供を受けることなく自己充足させることもできる、とも言えます。にもかかわらず弊害の想定される売買春の合法化という選択を取るべきか、という問題ですね。
もちろん以上では、需要者側の事情の中でも典型的な男性の典型的な性欲の解消という問題だけを論じていますから、たとえば女性はどうするのか、あるいは(これは深刻な問題として指摘されていますが)身体障害者であって、自己充足したり適切な相手を自分で探したりすることができない人々の需要をどうするのかという問題はあります。ただこのあたりになると、満たされない需要がどの程度ありそれを解消するにはどのような手段が最も適切なのかという問題をめぐる経験的な研究と決断なしにはわからない問題ではありますね。
公務員化、あるいは公的認証(と管理)というシステムは暴論でもなく、ヨーロッパ諸国には公娼制度を導入している場合もあります。ただ、たとえそのような制度を認めても、たとえば高橋さんの言及されたペドファイルの需要は満たせませんから非合法な領域とそれに伴う問題は必ず残りますし、公娼に必要となる管理コストを省くことによって違法で安価な提供が行われることになるだろうことを考えると(江戸時代の吉原と飯盛女みたいな話ですが)、問題の解決にはならないと思います。

>bunさん
何となく印象論で言うと、南の方では女性が一生懸命働いて男性が遊んでいるような気配もあるのですが、それと売買春の関係はどうでしょうね。ヒモ産業というのは日本にもあるような気はします。

>Apricotさん
本屋やコンビニで電話帳みたいな厚さの風俗情報誌が売られていて驚きます>名古屋近辺。ただこう、働いているかどうかというのは景気が良くて働き口があるし働くと儲かるから、というのの影響が強いような気もしますね。男が働かない国、ってのは働き口がないケースも多いわけですよ。

>kogeさん
ま、それによって狭義の売買春が代替されている面は強いでしょうね。わしら自己充足行為に対する宗教的規制もないですし。で、わたくし個人的には、そのような代替財によって充足されるほうが現実の個人に対する権利侵害や人権抑圧を生じさせる危険性が少ないので望ましいと考えているのですが。

>高橋さん
ども。まあ当事者たちは「自由かつ自発的」な選択だと言いたがるのですが、未成年者(特に少年)は選好構造の可塑性も高いし誘導にもかかりやすい、などというのは周知の事実なわけで、到底自発性などを認めるわけにはいくまいよ、と思うわけです。

 パンピーの突然の無礼な質問に丁寧にお答えくださり、感謝しております。
 ありがとうございました。

 近代法治というのは「すべての人間は“完全に自由かつ自発的な意思”が備わっている」という前提で作り上げられたシステムだと思っていたのですが、「児童」というのは近代法治上でも「例外」という認識なわけですね。
(近代法治上の論理と「一般的」という多数決論理との関係性がいまいちよくわかってなくて申し訳ないんですけども……)

 時折話題となる刑法三十九条問題(精神障碍者への刑の減免)も、これと近しい理由で解釈されている、と考えてよろしいのでしょうか?
(「合理的な根拠」というのは、医学を含んだ西洋近代科学に照らして、という意味だと捉えてよろしいでしょうか?)

 もちろん私は納得しているんですが、フーコーが知ったら怒るんでしょうね。
「差別もある明るい社会かー」と、ゴチエイ信者の私は思ってしまいました。


 売買春に関しては一点だけ。
 おおや先生は「弊害の想定される売買春の合法化」と書かれておりますが、需給があるていど確認されている現状を鑑みて、合法化するとどのような弊害が想定されるのでしょうか?

「投入される社会的リソースが増える」(つまり「役人が大変になる」)以外に、いまいち「これだ」というのが思いつかないのですけれども。

>ペドファイルの需要は満たせませんから非合法な領域とそれに伴う問題は必ず残りますし

殺人を禁止しても殺人事件は起こります。
もちろん私は「合法化すれば違法売春のすべてがなくなる」とは思っていません。

>公娼に必要となる管理コストを省くことによって違法で安価な提供が行われることになるだろうことを考えると(江戸時代の吉原と飯盛女みたいな話ですが)、問題の解決にはならないと思います。

上述したように、安価で違法な売買春はなくならないでしょう。
しかし合法化し、行政のコントロール下におくことで「安全で合法なサービス」を【今よりは】確保することはできるんじゃないかなあ、とは思うわけです。

現状を「よりまし」にするにはいいんじゃないかなあ、とは思うのですが、いかがでしょうか。って言われても困りますね。すいません。
「一般化」かー。難しいだろうなあ。

>ショータさん
ども、児童は例外ということについては、その通りです。一定年齢(も問題に応じて14歳、18歳、20歳……と段階があるわけですが)に達すれば「自由で自律的な個人」と認められるのが原則ですが、未成年者、成年被後見人(昔の禁治産者)、あるいはご指摘の通り刑法39条の定める心神喪失の場合など、例外がないわけではないということです。「合理的」は西洋近代科学が中心ですが、たとえば心神喪失については純粋に医学的な概念ではなく法律的に適当かどうかを裁判所が判断するということになっていて、つまりある程度の価値観は混入している、と私は思います(それが悪いことだとは思っていませんが)。フーコーは確かに怒るかもしれませんが、我々の社会の根底には排除の暴力が横たわっており、またそれなしに社会を成立させることはできないと考えています。我々にできるのは、せいぜいその暴力を「合理的」に行使することだけだ、というわけですね。なお『RATIO 01』掲載論文参照。
売買春については、合法化+管理という選択肢もアリだとは思っています。少なくとも理論的に排除すべきでないというのはすでに書いた通りでして、だとするとあとは具体的にコストとベネフィットを分析することになりますが、この点について私にはさっぱり事情がわかりませんからそれ以上は言いにくいところがあります。ただ、第一に当事者たちが合法化されることにどれだけのメリットを感じているのかはよくわからないところで、形式上合法な実質上の売春産業であるソープランドは斜陽化が進んでいるという話を聞いたことはあります。形式上も合法化できない未成年者の援助交際や、個々人が安価に提供するテレクラ売春などの方向に人々が流れているとすれば、合法化してもメリットは小さいということになるでしょう。第二は、それに対する社会的合意が得にくいだろうという点であって、民主主義社会である日本ではたとえメリットの大きい政策であっても民意が選択しなければ実現不能であるところ、どうも性産業については国民みんなして需要から目をそらす傾向が強いような気がして私はいいことではないと思いますが、しかしこのように「国民が受容しにくい」こともコストにはなります。もう一つ、国際的な批判対象となりかねないこと、特に実質的な人身売買の源泉になりかねないことも問題で、これらの懸念も解決できるシステムは設計にも運用にもかなりコストがかかるだろうなあとは思います。

どもです。
「児童が例外視される点」、「売買春合法化へのコスト」、どちらも諒解いたしました。大変わかりやすい説明でした。重ねて、ありがとうございます。

『RATIO』も拝読いたしました。
(1700円はちと高い。広告入れて安くしてほしい)

「他者」を「他者」として認定するといった、ごくごく基本的な認識も、本質的には「賭け」なのであるという論旨、大変面白かったです。
 私は頭が悪いので、3回読んでやっと全体の論旨が掴めたのですが、それでも「法の暴力」に関するベンヤミン=デリダの考え方がよくわかりませんでした。

 例えば現行法では「自由で自律的な個人」として見なされない「例外とされる児童」は、その現行法に異を唱えることができません。いや「困るよ。勝手にそんなん決めるなよ」とは言えますが、言えるというだけで法を変える力は持ちません。参政権を制限されているから。そしてもちろん、「児童は例外とする」といった決定に、児童自身が関わったわけでも、その結果を承認したわけでもない。
 けれども現行法システムを含む我々の社会は、「児童は例外」を始めとしたさまざまな「排除の暴力」を行使する、といった、「区分けの暴力」の話なのでしょうか???

 そうであるならば、納得です。
(それならそれで、「じゃあさらに先鋭的に他者であり続ける死者はどうなんだろう? 死者は誰のものなの? どう扱うの??」という疑問が起こるわけですが、これは元記事の売買春関連と話がズレすぎるので引っ込めます)

 いろいろありがとうございました。勉強になりました。インテリの人に遊んでもらえるのは楽しいなあ。
 引き続きブログの記事、楽しみにしております。

>ショータさん
お買い上げどうもありがとうございます。
(A` )、  ペコペコ
 ノノ z乙
「法の暴力」については、お書きの通り、「排除の暴力」を想定していただければよいと思います。区分けそのものがたいして根拠がなかったり、あるいは時にはまったくなかったりするわけですが、それは同意せざる当事者をも排除してしまうわけですね。ときには、当事者自身が望んで排除されていくのだがその選好自体が強者によって作り出されているというような場合もあるでしょう(「マンダレイ」なんかそういう見方もできるかもしれません)。いずれにせよ、私が主題化したかったのはそのような「排除の暴力」です(デリダは違う、という人はいるかもしれません)。
そのような「排除された他者」として死者を出してくる人も、もちろんいます。内田樹先生なんかがよくやっているような印象がありますが。私自身は、排除される当事者以外の人間がその意思を代弁するところにある種の「いかがわしさ」を感じるのでそれを断固として退けるべきだ、と言ったりするのですが。

ところで価格についてはもちろん出版社の決定するところで私のよく容喙するところではありませんが、売れない雑誌に広告を載せたがる人間がいるとは思えな***DELETED for the Security Reasons***
いえなんかしかし風の噂によると結構売れ行きがいいようでして、もちろんそれに対して私の寄与した部分なぞほとんどないに決まっているのでここでお礼を言うのも変なのかもしれませんが、買っていただいた方には心よりお礼を申し上げます。ぜひこの調子で今後刊行される書籍雑誌等につきましても***DELETED for the Courtesy Reasons***

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