PSE法問題フォロー(1)

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実家に戻ろうとしたら最寄り駅の駅前広場の隅の暗がりで女学生が二人座りこんでカップ焼きそば食べてました(挨拶)。なんか怖い、つうかそこのコンビニで買ってお湯入れてもらったんだと思いますが君らそのお湯はどこに捨てましたか

おことわり:当方の都合によりこの問題に関する一連のエントリ(1〜4)は先の日付で公開しますが、すべて3月17日に書いたものです。また、現在出張中なので、あらゆる反応が遅れる可能性が高いことにご留意ください。以下のエントリについてもリソースが限られている状態で書いているので、事実関係に誤認があればご指摘いただけると幸いです。

さてうっかりPSE法について書いたらたくさんコメントをいただいてしまう。以下はそのフォローのためのものだが、印象を簡単に書くと基本的なことが理解されずに議論が進んでいるので問題だよねえという感じだろうか。ただ最初に明記しておくと、肝腎のPSE法自体、あるいはこの問題をめぐる経産省の対応について私はまったく擁護しようとは思わない。強く否定したくなるほどの動機もないが、最善に解釈して「まぬけ」、悪く解釈すれば無能か邪悪であるという点については多くの人の感想と変わらないのではないだろうか。前エントリでもっとも言いたかったのは、例えばライトとセンターのあいだでポテンヒットが発生した場合に、ライトの選手がセンターの選手の責任を追及するとか言い出したらおかしくねえ? ということである。「センターは悪くない」とは言っていないし、悪いか悪くないかで言えば悪かったんじゃねえかと思う。しかし「だからセンターが全部悪い、すべてセンターがきっちりすべきだったんだ」と言うなら、その人はもう「ライトの選手」じゃないよね。国家の統治に参加するプレイヤーではなくて、配慮され管理され支配される純粋な「対象」になってしまう。それでいいの? というのは思想論文の一つのテーマだったわけだが。

もう一つ明記しておくと、私は古物の流通を仕事(の一部)にしているわけではないし、私の趣味の中に今回の問題の直撃を受けるものはないから、基本的に利害関係はない第三者的な立場である。中古家電の流通が一旦なくなることによる間接的な影響というのはあり得るが、まあその程度。で、あえてまた言うが、世間の人々のほとんどはこの問題に対して同じ程度のコミットメントしかないと思う。その意味で、PSE法に反対なら反対でその理由を私にどう納得させるかというのは実は反対する人々に問われていることでもある。「あなたがもっと勉強するべきです!」という意見もあるだろうし、そう言いたくなる気持ちもわからなくはないが、実のところそれは典型的なハマりパターンである。

というのは、任意の分野にとって死活的な問題があったとして、霞が関や永田町の中にその分野に通暁した人間がいて言うまでもなく(あるいはちょっと注意を喚起するだけで)問題の所在や望ましい解決法が理解してもらえるという可能性はほとんどないからだ。まあ一人や二人なら偶然いることもあるだろうが、内閣提出法案を作るのに必要な範囲の官僚の中で十分な割合を占めているとか、議員立法で法案出すのに必要なだけの議員が揃ってるとか、まあ正直あり得ない。彼らは行政とか立法についてはプロとして十分な能力と知識を備えているが(そのはずだが)、世の中のあらゆることに通暁した万能人ではないし、そうあるはずもない。なので、立法過程にコミットするとそれはほぼ必然的に、その問題に大して関心もない「ふつうの人」をどう振り向かせるかという問題になる。

でだ。そういう「ふつうの人」、あるいは「確信的ではないがややアゲンストの人」がいたとして、彼に「勉強しないと話すべきではない!」と言ったらどう反応するかということについては想像力をめぐらしてもらいたいのだがどうだろうか。例えば霞が関の中の人の場合、一般的には忙しいので優先的に取り組むべき課題を選択せざるを得ない状況にある。ある問題を持ち込んできたグループがあって、しかし内容がよくわからないので質問したら「もっとよく勉強してください!」と叫ばれたとする。隣りには「実はわれわれこういう問題で現在悩んでおりまして、こういう被害が出ております。御省でこのような規制を実現していただけると大変にありがたいのですが、いかがなものでしょう。ちなみにこれが問題の規模や深刻さを示す統計で、こちらがスライド5枚にまとめたプレゼンテーションで、こちらなどそのまま永田町に持って行っていただけるような説明資料(カラー印刷)になっておりますが」と言うグループがあったとする。あなたどっち選ぶか。世の中の多くの人も同様であって、彼の人生は通常もっとコミットメントの深いさまざまな問題に占拠されている。そこに割り込もうとするときに、彼ら自身の努力を要求するというのは、一般的に言って賢明なことではない。

念のために言うと、これはそういう要求をするに至った事態を誰が生じさせたのか、誰に責任があるのかといった事柄と独立の問題である。どこの誰のせいで問題が起きたかは別の問題として、しかしその問題を解決するために立法プロセスというものを動かそうとするならばどうした方がいいのかと、そういう問題だ。さらに念のために言うと、霞が関の「ふつうの人」を納得させること以外にもプロセスを動かす方法はあって、例えばしかるべき圧力団体を通じて与党のいずれかに直接アクセスするという方法もあるし、マスコミに大々的に取り上げてもらうことで社会的課題と認知されるという方法もあるし、裁判に訴えて法律を無効にするとか損害賠償を受けるといった方法もある。まあどれを選ぶかというのは個々の目的達成を狙う人々が個別に判断すべきことなので何が良い悪いということは言わないが、結果達成を基準にするなら最初の選択肢以外はあまり成功率が高いとは言えないとは思う(*1)。つづく。


(*1) さらに念のために言うと上記では「勉強しなさい」という人の態度を相当にデフォルメして表現しているので「市民」さんは怒らないでほしい。後述するがあなたの指摘は面白かった。

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コメント(12)

長文だけど何も語ってないね。

まさに内容皆無、表現過多。
自分の勉強不足を棚に上げて、
「自分は騒動の直接対象者じゃないから知らなくても仕方ない」
「知らない人でも反応出来るような努力出来なかった貴様らが悪い」
とでも言いたいのだろうか?

問題点は、
「その事例についての知識が全くないにもかかわらず、
一方的に断じ、その上で被害者を小馬鹿にした発言をしたもの」
であるということは一切考えていないのだろうか?

「勉強が足りない」と言う発言に関していきり立つ前に、
「一連の騒動を冷笑的に評価するのであれば、
最低限の知識は持っておくべき」
ということを忘れないでおきべきでは?

知識の前に良識ですね。

おいおい。

知識のない良識なんてただの思いこみだよ。その行きつく先は浅間山荘。

「ふつうの人」が問題だと思ってるから
これほどの騒ぎになってるのが理解できないんですかね~?

この程度の騒ぎで「これほどの騒ぎ」ですかい。

どうでもいいことですが、
カップ焼きそばのお湯もコンビニで捨てられますよ。

お湯を入れて3分たったら「お湯を捨ててください」と
店員に言えば、コンビニの流し台に捨ててくれます。

と、元コンビニ店員が言ってみました。

逆説的にいうと、法に通暁している役人が、法に通暁しない人をどう振り向かせるかというのがなされなかったから周知不足という批判が起こっているわけですね。

>一古物商さん
いや多分あなたがお求めの「心の慰め」とか「正義への怒り」とかいうものはここでは手に入らないと思いますから、ふさわしいところに行かれるのがよろしいかと。例えば救済としての損害賠償請求をするなら裁判所(の前に弁護士事務所)ですが、関連して老婆心から一点のみ指摘を。
仮に皆さんの言われる通りこれが非常に不当な法規制・法解釈で憲法違反の疑念もある、被害者もたくさん出ていて損害額もあるということになると、大規模な行政訴訟になります。原告の数は多く、内容も複雑ですが、まあ率直に言って企業間の紛争なんかと比べてカネになりませんから、普通は日弁連を中心に大弁護団を結成し、多くの弁護士さんで分担して訴訟手続を進めるということになります。ですから、訴訟を考えるのであれば日弁連(あるいは各都道府県の弁護士会)に問い合わせてそのような動きがないか確認されると良いでしょう。このあたり、弁護士のBarl-Karth氏のライブドア事件に関するblogが参考になります。http://d.hatena.ne.jp/Barl-Karth/20060209
# 逆に言うと、そういう動きがないのなら「救済すべきだ」という主張が法律的に組み立てられないか、あるいは被害実態が実は非常に小さいということになるでしょう。

こういうことを注記するには事情があって、以前から「詐欺被害者救済詐欺」とでも呼べるような手口がある。今回の事例であれば古物商の人を(例えば)電話帳で調べて「実は今回の事件は政府内でも問題になりまして、古物商の皆さんを救済するために商工中金に特別の融資制度を作ることになりまして、そのお知らせで電話しております。損失額はいかほどでしょうか? ○○○万円? それは申し訳ありません。ついてはその額を上限として無利子融資が受けられるのですが、手続のためにその1割の金額を保証金としてお預かりする必要がありますので××にお振り込み願いたいのですが……」という感じでやると、これが悲しいことにころころ引っかかるらしい。世の中には騙されやすい人というのがいて(今回の事例で古物商の皆さんが「騙された」「騙されやすい人」なのだという趣旨ではない、念のため)、そういう人を食い物にする人間も世の中にはいるのだという話。
で、それとはちょっと違うのだが弁護士さんというのは訴訟をやるとお金がもらえる。日本では完全な成功報酬制度が禁止されているので、とにかく訴訟に手を付けるだけでいくばくかはお金がもらえる。もちろん上述の弁護団などの場合には弁護士報酬も圧縮して割に合わない額で皆さん働かれるわけだが、そういう話でもなく、大規模訴訟が担当できるような大きな法律事務所でもないのに、「原告団を結成します、ついては着手金○○○円ですから×月×日までにお振り込みください」と宣伝するような弁護士さんがもしいたとしたら、はてそれはどういうことなのか、どうも考えた方が良さそうですねと、そういうお話。いやもちろん原告数百人の訴訟でも一人で担当できる天才弁護士が正義の怒りに駆られて孤独な戦いを決意したのかもしれないよ?

>さ さん
ども、そうなんですか、それは知らなかった。てっきり「背後の植え込みが怪しいな」と思っていたのですが、濡れ衣だったかもしれません。

>Unknouwnさん
それはまったくおっしゃる通りです。しかしまあ、役人も常に完璧ではないので、我々も対策は練った方が賢明なのでしょう。

>本的に利害関係はない第三者的な立場である。

国民には行政を監視し悪法を潰す義務が、自動的に付帯しています。
つまり「無関係」を決め込む段階で非国民と言わざるを得ませんよ。
事実上のリユース禁止という異常事態は環境教育にも大打撃を与えるため、
あなたの周りの子どもたちにも関わり、あなたを含む大人の身の振り方が
社会を左右するということを念頭に置いてほしいですね。
(自分は無関係だという発言そのものが問題だと理解してください)

>なので、立法過程にコミットするとそれはほぼ必然的に、その問題に大して関心もない「ふつうの人」をどう振り向かせるかという問題になる。

仰ることは良く判りますが、「その問題に大して関心もない人=ふつうの人」
というのは完全にミスリードであり問題ですよ?
逆なんですよ。無関心人=非国民なんです。

とはいえ、非国民だからこそ、物言いは丁寧でなければ成らないことは判ります。
なんとも もどかしいですが、問題が解決した暁には、非国民にも"お灸"を据えないとね。
(長期的な危機管理として"お灸"は大事という意味)

>いや多分あなたがお求めの「心の慰め」とか「正義への怒り」とかいうものはここでは手に入らないと思いますから、

貴殿が人としての思い遣りに欠けること以上に、小泉氏や経惨商の連中と同じく、
交流を最初から塞いでいる点が不思議と共通しており、ビックリです。

▼以下はTOKYO自民党BBSから引用です▼

>「そう言うものは受け取る気は無い」
>「なぜこう言う事(署名運動)をするのか」
>「こう言う事をするのは民営化に対する理解が無いから、
>学校がちゃんと教育してないから」
>
>これは、郵政民営化を反対する女子中学生が集めた署名を
>小泉総理に渡そうとした時のコメントです。

本当に酷いですよね。
国民の声を聞く気が無いばかりか、官主党に楯突く正しい教育に対し、
愚痴を言ったことで、根っから腐っていることを確認できましたよ。
腐っていなければ、こんな台詞は出ないですからね。

ついに「非国民」メソッドが出ましたので笑ってスルーしたいと思いますが、正直、こういう人とどう差別化するかというのが社会運動として成功するための課題だと思います。まる。

「非国民」という単語だけで全てを判断し無視。
人の話を聞く能力が無いのならコメントなんか受付なければ良いのに(笑)

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