危機と管理

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学生と女性と老人に期待するってのはつまり現在社会を動かしている正当化の枠組みの中ではまともに勝てないという事態を認めたと考えていいのでしょうか(挨拶)。つうか俗世間にまだ取り込まれていない学生が中心となって社会を動かそうとした取り組みとその帰結の愚かしさについて、当時学生でこれから老人になりつつある人々は「団塊党」とか言って浮かれてねえでさっさと総括してください(山の中に埋めろという意味ではない)。そもそも疎外されている他者を変革の源泉として待望するってのは典型的なメシア主義で、何が新しいかといえば老いたるかつての革命青年たちに対する媚びが増えた点のみである。そういった夢見る老青年ときちんと俗世間の体制の中に入って社会を変えてきた女性たちを一緒くたにするのも後者に対して失礼極まりない話だ。「妄語」ってのも反語のつもりなんだろうけどね。

さて民主党の持ち出してきたライブドアメイル問題については検証の結果も積み重なってきたようで(例えばここ)結局フェイクであると認めざるを得なくなったようである。すでに述べた通りこの程度のものを信用するのは最初から無理というのが私の印象で、この騒動に関連してどこかで出ていた「永田の常識は永田町の非常識」という言葉は誰が言ったのか知らないが正鵠を射ている。しかし責任を取って辞職するという永田議員を民主党首脳部は慰留して、休養後に進退を決めるとか言っているらしい(asahi.com)。ええっと、それって典型的な小田原評定のような気がするんですが籠城してたら外から援軍は来るんですか?

や、新たに確かな証拠が持ち出せる見込みがあるならとりあえず耐えるというのもアリだと思うけど、決着を付けない限り自民党側からの批判は止まないだろうし、ということは国民がこの不祥事について忘れるということもないだろう。この間に相手側は懲罰や民事訴訟といった手を打ってくることが予想されるわけで、正直時間稼ぎをしている場合ではなく、ただちに本人の議員辞職(だけでは済まないだろうけど)という形で幕引きを図って懲罰による除名という不名誉な記録を残すことだけは回避するか、何らかの別の問題で攻勢を図って相手の新たな手を封じるか、しか選択肢としてはないように思うのだが。この程度はスキャンダル発覚後の危機管理の基本であって雪印乳業事件とか見てれば気付きそうなものだろうし、専門のコンサルタントもたくさんいるだろう。なんでそういった専門家を活用しない・できないのか。オリるなら今日、という点については永田議員の判断の方がまだ正しいわけで、それを止めたということは民主党首脳部の判断力は永田議員以下なのか。それにしてもケンカ下手だなあ。

と呆れていたらもう一つあっけにとられるニュースがあって、海上自衛隊の秘密がWinnyで流出したらしいのである(asahi.com)。え〜。WinnyとかWinMXとかやるんじゃねえ、どうしてもやるなら漏れちゃいけない情報を扱うコンピュータと遮断した別の機械でやれ、というのは私がインターンシップに行く学生さんに講義する程度の内容であって、頼むからそれくらい自衛隊の中に人にも教えといてくれよというのが率直な感想であるが(もう京都府警とかやっちゃった前例もあるんだからさ)、もちろんこれが偽情報を相手に信頼して掴ませるための謀略である可能性も考えないといけない。なにせ前例もあることだからうっかりどこかの国も信用しそうである。相手もその可能性にはもちろん自覚的であって内容の検証を試みるだろうから、艦艇のコールサインとか電話番号とか手間をかければ変更可能な内容は真実を漏らす。海底地形のデータなどもほとんどは本物で、ただ予測交戦海域にある海底火山の存在一つだけが消されており、危急の際に何故か某国の原子力潜水艦がその火山に全速で直進してごおおおおん……

という程度のことは、漏洩が本当に起きたことでも謀略でも誰かが示唆するはずである。本当だったら、せめて「偽情報かもしれない」という疑念をかきたてて相手がチェックに費やすコストが増えればいいなあと思って言ってみるだろうし、謀略だったらそれがバレないように本当の漏洩だったらするだろうことをやらないと不自然なのだから、やっぱり言ってみるだろう。もちろん相手もその程度の可能性は考慮済みなのであって、結局本当らしい情報がゴロッと手に入ってもそれを丸呑みするわけにはいかず、他の情報源とか独自の調査結果と照らし合わせて丹念に真実性を確認するしかないのである。世の中、情報戦といっても楽ではない。

まあその、本当にうっかりである可能性と遠大な謀略である可能性のどちらかに賭けろと言われたら前者に賭けるわけだが orz 、のんきな学者であっても「情報源とその検証」と言われたらこの程度の内容は考えるわけであって、頼むから民主党にもその程度にはモノを考えていただきたいと心から思うわけである。結局悪口になって終わる。

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