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本の山
……4000冊って、多いか?(挨拶) いや、「劇的ビフォー・アフター」という番組で「夫婦共に大学教授」の「本に埋もれた家」のリフォームをやるというので録画して見てみたところ、蔵書4000冊・運び出したら100箱以上というのですごいすごいと表現されているんだけど、そうかねえ。私が名古屋に引越したときの荷物がだいたい100箱で、家電も家具も名古屋で買ったからそのほとんどは本。実家に残した本も相当あるし、いまこの瞬間の私の蔵書を数えただけでもそのくらい行きそうなもんだと思う。で、私の場合は研究に関係する本はほとんど研究室に(たぶん二千数百冊、理論系なので歴史系の先生なんかに比べればかなり少なめ)、そうでない本は自宅の本棚部屋に放り込んである。ご夫婦とも専任教員らしいから「大学の研究室はどうなってんですか?」と聞きたいところもある。どうなってるんだろう。
私なんかが「本が多い」というと磯田和一『書斎曼荼羅』に出てくるような、つまり床に本がタテに敷きつめられている(藤野邦夫)とか、高さ5m以上ある壁面がぜんぶ本棚(京極夏彦)とか、本棚を高くし過ぎたので上の方の本の題名は双眼鏡で確認する(阿刀田高)とか、階段からトイレから本だらけ(鹿島茂)とか、家の壁ぜんぶ本棚・むしろ本棚の中に住んでいる(石原祥行)とか、そういう人のことをイメージするわけですが。まあちょっと、本というものに対する世間様との感覚の違いに愕然としますな。
バラエティ番組にこういうことを言っても仕方ないんだけど、床下収納に本をタテに入れるというのはあまり本を使わない人の考えだなあとも思う。湿気対策はちゃんとしていると主張していたけど(本当かなあ、床下って本気で湿気多いんだけど)、そんなとこに大判の重い本を突っ込んで使うたびにかがんで取り出してたらたちまち腰やられるだろう。3層のスライド書棚ってのもとても使い勝手が悪いし(いや学者というのはすぐにすき間に本を積む生き物であってですな(私だけか?))、だいたい床ちゃんと補強してあるのかな。この「本の重さ」ってのは知らない人にはなかなか実感できないものなので久世番子『暴れん坊本屋さん』(書店員兼マンガ家である人のエッセイコミック。おすすめ。)でも読んで勉強されるとよろしい。
私にも失敗談があって、それは父がマイホームを建てたときなので今からもう20年も前のことですが、息子の本好きをおもんぱかった父が建築会社に特注して壁面に作り付けの本棚を作らせたところこれが半年で崩壊したのです。いや本当に棚板がかしいで本が崩れてきまして、よく見たら「作り付け」って壁面の石膏ボードにダボの受け金具打ち込んだだけでやんの。そんなもん棚板全面に本載せたら崩壊するに決まってんだろうがと当時中学生の私にして思いましたが、要は蔵書という習慣のない設計者にとってその実態を想像することは困難だということなんでしょうな。ヘーベルハウスでしたが。
あと学者の家の設計を本気で考えるなら、緊急時に持ち出すのは食料だの水だのよりハードディスクだと思うわけですがどうですか。
- 磯田和一『書斎曼荼羅:本と闘う人々』(1)(2)、東京創元社、2002。
- 久世番子『暴れん坊本屋さん』(1)、新書館、2005。
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そういや昔「本ノ山埋」(ほんのやまうまる)という筆名を使ったことがありましたな。買(かう)・積(つむ)・崩(くずれる)・埋(うまる)の四兄弟なんですよ、きっと。
大屋先生
そんなにたくさんの本を買える&置けるなんてほんとにすごいことだと思います。
こどものとき、死ぬなら「笑いすぎ」で死にたいと思っていましたが(その苦しさも知らずただ楽しそうだと思ったから)、いまは「本に埋まって」死ぬのもしあわせかもとひそかに思っています・・・。
不謹慎で申し訳ありませんw東海大地震が先に来るという話もあるので、くれぐれもお気を付けくださいませ・・。
床下収納の本、絶対その上の床に本が重なって死蔵されるだろうなあ。4000冊で何でそんなに苦労するのがよくわからん。10畳ほどの部屋に迷路のごとく天井までの書棚を設ければおさまるような感じがするのだけど。
知り合いは1階に土間(床を張ると落ちるので)をつくって移動書棚の書庫をつくっていた。本当に本を入れることだけを考えるのなら、それで済むと思う。
「劇的ビフォー・アフター」気になっていたのですが録画すら忘れていてこのエントリ見て思い出しました。orz
でも、期待していたほどではなかったようで。
むしろ、『書斎曼荼羅』のほうが気になりますね。
機会があったら読んでみます。
そういえば師匠も随分前2階の床が本で抜けそうって話をしてましたね。
本棚の話をきくとまず(ご存知かもしれませんが)、これも随分前、ETV特集か何かで放映された、鶴見和子の家のことを思い出します。階段も部屋も天井まで本棚になっていて一万冊以上の蔵書がそこにぎっしり詰まっていました。必要な本を取り出すのに梯子を昇り降りしなくてはならないところが、病に倒れて足腰が不自由になり本棚を使うことができなくなったので、蔵書を京都の女子大にみんな寄贈してしまい、引用が必要な仕事はしないことにした、という話で、鶴見の、生涯を学者としておくる者にまず必要なのは、本棚の本を自由に取りにいける体力(運動能力)を維持することだ、という言葉には、深く肯かされました。
>panndaaaさん
いやだから4000冊は学者の蔵書としては多くないのです、ええ。東海地震については私も危険に備えているところでありまして、先日学会からいただいた賞の盾は「本棚の一番下の棚」に載せられております。いやあれ上から降ってきたら頭蓋骨割れるって。
>す さん
ねえ。書斎一つ分だと思うわけですが。
>よこはまさん
改築後の話ですか?>床が抜けそう
以前に大阪の方で「ため込んだ雑誌で2Fの床が抜けて1Fで家族圧死」という事件があって洒落にならんと思っていたわけですが、やっぱりコンクリ土台に直接集密書庫とか、あとこれどこで読んだんだか忘れましたがやっぱり学者の家の話で敷地をぐるっと囲む塀ぜんぶ1.5mくらい厚みがあって中が全部本棚のついた廊下になっていたとか、そういう対策を立てないといかんです。これならはしごを使わなくても本が取れるから大丈夫ですよ。