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P2Pソフト提供企業の責任

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炎症が収まっていないのに4コマ講義したら何か口の中でしょっぱい味のする月曜日(挨拶)。なんかどっかから漏れてないかおい。さて火曜になって「違法ダウンロードはP2P企業にも責任あり」とアメリカ連邦最高裁が判示したというニュースを聞く(リンクはWired News)。ちょうど演習で読んでいる林紘一郎『情報メディア法』東京大学出版会 でファイルローグ事件の話が出てくる回だったので「アメリカでもこういう決定が出て」と紹介したら発表者P君に対する不意打ちに成功したらしく、わはは、ごめん。

というわけで同事件だが、集中的なサーバを持たない分散型P2Pによるファイル共有ソフトウェアを配布していたグロックスター社とストリームキャスト・ネットワークス社が、そこで違法コピーされていた著作物に対する権利者であるMGMその他に訴えられていたもの(MGM Studios v. Grokster, 545 U.S. ____ (2005))。とりあえずSyllabus(要約)に目を通しただけなのだが、MGM勝訴を前提とした下級審への差し戻しであり、判断基準には我が国のファイルローグ事件と共通するものがあるという感じ。

もともとこの事件は、第一審のロサンジェルス連邦地裁が原告敗訴のsummary judgmentを下し、控訴審の第9巡回区連邦控訴裁判所もそれを支持していたものである。summary judgmentとは何かと言うと「略式判決」と訳されたりするが誤解の可能性が高いのでうまくなく、つまり陪審による事実審理を行なわずに下される判決のこと。陪審に委ねるべき事実認定の論点がなく、結論は明らかであると裁判官が判断したことを示す。第一審・控訴審とも結論が明白だと考えた理由はいわゆるベータマックス事件(Sony Corp. of America v. Universal City Studios, Inc., 464 U.S. 417)にあった。家庭用のビデオテープレコーダーを販売したソニーが著作権に対する寄与侵害contributory infringement(簡単にいうと幇助みたいなもの)の責任を問われたこの事件において、連邦最高裁はソニーの責任を否定している。原審はその判旨を、権利侵害以外の用途が実質的に存在する商品を販売した場合、特定の侵害の事実を知りながらそれに対処しなかったような事情がない限り、寄与侵害は成立しないと理解している。ベータマックス事件では、VTR機器の主要な利用目的はtime-shifting、つまりテレビ番組を録画して別の時間に見ることにあると判断されたから、それが一定の違法コピーを可能にするとしても、別に特段の事情がない限り免責されることになったわけだ。原審はグロックスター等もこの事例にあたり、また同社のP2Pシステムではファイル共有の状況がユーザ間で直接やりとりされる以上、個々の侵害の事実を同社が知りながら対処しなかったという事情も成立しないと判断したようである。

これに対し最高裁決定の法廷意見は、device(装置)の頒布者が単に第三者が権利侵害を行なう可能性があると知っていただけではなく、その侵害を助長するような行動・表現を取っていた場合には、たとえその装置に合法的な用途が存在するとしても寄与侵害責任を免れないと判示している。その上で法廷意見は、(1)被告に違法行為を助長する意図があったことは証拠から明白であり、(2)侵害行為を防止するような機能・ソフトウェアの開発を行なっておらず、(3)被告がこのソフトウェアの普及によって利益を得ていることを理由として、被告の責任を否定した原審のsummary judgmentは誤りであり、むしろMGM側によるsummary judgmentの申立てが再考されるべきだとして、原判決を破棄している。差戻審ではおそらく、被告の寄与侵害責任の存在を前提として、損害賠償金額の算定が行なわれることになるのだろう。

さて連邦最高裁が決定に際して考慮した要因だが、我が国のファイルローグ事件(第一審: 東京地裁中間判決平成15年1月29日、終局判決平成15年12月17日。控訴審: 東京高裁判決平成17年3月31日(確定))において、同様にP2P業者の責任を肯定した要因である(1)サービスの内容・性質、(2)管理性、(3)被告の利益という要素に対応していると概ね言うことができるのではないか。もちろんグロックスター事件がアメリカ法の寄与侵害概念を用いた構成を取っているのに対し、それが存在しない日本では侵害主体性の認定という構成になっている点、あるいは管理性についてファイルローグ事件が「MMOのシステムなしには侵害行為ができなかった」という形でその存在を問題にしているのに対し、グロックスター事件では「侵害を防ごうとしていない」というネガティブな形になっている点など違いもあり、詳細な分析が必要になると思われるが、しかしやっぱりこういうのはいかんという実質的判断と結局他に責任の負わせどころがないという問題が背景にあってP2P業者の責任を肯定するというロジックは似てるよねと、門外漢としては思うわけである。

でまあ、こういう判決を見るとすぐに「P2P技術の発展を阻害する」とか「技術革新を禁止するのか」とか騒ぐ人が出るので先に書いておくと、前にも言ったことだが、P2P技術自体の研究とか開発とか利用とかが制限されているわけではなく、それを不法な目的に利用したりさせたりした場合にその限りで問題になり得るというだけのことなのだから、それがイヤなら問題にならないようなP2Pシステムか、不正利用を防ぐシステムを一緒に開発すれば良いだけのことである。匿名による誹謗中傷という問題への対処として共通ID登録なんてえシステム的提案をするくらいなら、侵害予防装置付きP2Pシステムの方がまだ現実味があるんじゃないすかと、どこに向いてるのかわからん矢を射って終わる。

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Comment(11)

獏 さんのコメント (2005年7月 1日 17:07):

本編というより、リファーされている"シロウトさんには理解しにくいことの二(1)"を拝見して、疑問に思ったことなのですが。

フェラーリの輸入販売って、道路交通法違反の幇助に当たったりしないでしょうか。

フェラーリをわざわざ買っておいて、道交法を守って運転するドライバーってのも考えにくいですし。
時速100KM以上出せくする様な装置は、簡単に取り付けられる筈なのに、そんなことしているとも思えないですし。
販売業者さんは勿論利益を得ておられますし。

警察はフェラーリの輸入販売を取り締まるべきだ、とか、フェラーリの輸入販売を放置しておきながら、WINNYを取り締まるなんて片手落ちだ、とかそんなことを申し上げたいのではなくて、"シロウトさん"の単なる思考実験の結果として、アウトだろうと思っただけなんですが。
お邪魔しました。

おおや さんのコメント (2005年7月 2日 19:45):

>獏さん
ども。ええと刑事法的には「いつかどこかでやるだろう」レベルの認識で手助けしたことが幇助に当たるのかが問題だというのがまずWinny事件の見所なわけで、それはこの例でも同じですね。
それは置いておくと、次に合法的な使い方が実質的に存在するか、違法行為を推奨あるいは容認する積極的な意図があるかといったあたりが問題になってきます。で、フェラーリの場合ちゃんと乗ろうと思えば乗れますし、メーカーが積極的にスピード違反を推奨しているわけでもないと思います。リミッタが入っていないのは確かにそうですが、国産車でもあれ180km/hくらいじゃありませんでしたか。確かに1300ccでも160km/hくらいちゃんと出せるので(何故知ってるとは聞かないでほしい)それ以上のパワーがどうしているんだろうと思わなくはないのですが、荷物を積むとか人をたくさん乗せるとかスタートダッシュ最強伝説を作りたいとか、違法ではない用途はいくらでも思いつきますし、実際そのために利用している人もたくさんいるでしょう。
それと比較して同等と評価できるくらいP2Pの合法的な用途があったのか、開発者が事実上は違法な目的のために作ったのではないのかというあたりが問題であり、もちろんこれは形式でなく実質の判断ですから異論はあり得るでしょうが、しかしファイルローグ事件でJASRAC側が主張した証拠によれば93%だかが違法コピーだってんだから、まあ、ダメなんじゃないかと個人的には思いました。

獏 さんのコメント (2005年7月 3日 00:54):

丁寧に解説いただきありがとうございます。

”ファイルローグ事件でJASRAC側が主張した証拠によれば93%だかが違法コピー”だとすれば、アウトだろうなと、私個人の、素人のバランスでも思います。

フェラーリの合法的な用途って、「日本刀を料理にも使える。」って言う位つらい言い訳の様な気もしますが、残念乍、私の友達にフェラーリのオーナーはいないので、実態はわかりません。

国産車も含め、(色々なマージンを見ても)130km/hとか以上のスピードを出せる様な車、の販売は禁止すべきじゃないかとおもいますが、立法論で、且つ議論として面白くないので。

個人的にも利害関係が出てきたら(フェラーリによると思しき、ひき逃げが多発して、かつ、犯人が捕まらないケースが多い、と、言うような恐ろしい事態になれば)フェラーリの輸入販売業者を刑事告発してみようと思います。
(フェラーリに個人的な恨みがある訳ではないです。念の為)

ふむふむ さんのコメント (2005年7月 4日 21:28):

 今、連邦最高裁判決を訳している者です。
 内容がわかりやすくて、とてもためになりました。
 ありがとうございます。

小倉秀夫 さんのコメント (2005年7月 5日 00:14):

 ファイルローグ側の訴訟代理人です。

 97%が違法コピーだというのはmp3ファイルに限った数字です。mp3ファイル自体は全体の15%前後しかないので、違法なmp3ファイルは全体の15%くらいしかありません。

 で、このような利用のされ方を回避するための措置として裁判所が例示したのが、利用者に、「戸籍上の氏名と住民票上の住所を登録させること」なので、共通ID云々の話は、そこと繋がっているということができます。

 もちろん、ポスナー判事がそのブログの中で語っている中間的な手段というのも選択肢としてはあったとは思うのですが、こればかりは、レコード会社側の協力もないといかんともし難いのです。


おおや さんのコメント (2005年7月 6日 00:04):

>貘さん
まあフェラーリでも何でも昼間の環七だの環八だので速度違反もできんでしょう。自主規制の根拠については、向かい風の登り坂で100km/h出せる馬力で追い風の平地を走ると180km/hになっちゃうんだという説も聞きましたが、本当かどうかは知りません。いずれにせよ国産各社も自主規制を正式に廃止したそうです。
ところでフェラーリのオーナーは事故って傷を付けるのをイヤがるのではないかと。個人的に危ねえなと思うことが多いのは高速ならトラック、一般道なら箱バンやステーションワゴンの商用車で、どうもパワーとの関係は薄そうです。

>ふむふむさん
つ【無保証】

>小倉先生
ども、お久しぶりです。補足ありがとうございます。中間的な手段を講じるにはレコード会社側の協力が必要というのは誠にその通りなんですが、普通そういう同意を取りつけるところからビジネスだと思うんですけどね。

小倉秀夫 さんのコメント (2005年7月 6日 08:35):

自動演奏ピアノの頃から、コンテンツホルダーは新技術に対し同意を与えないことになっていますので、同意を取り付けるところから始めようとすると、永久に始まらない可能性が大です。インターネットの商用利用自体、コンテンツホルダーの同意を取り付けないまま開始してしまったわけですが、同意を取り付けるのを待っていたら、おそらく、日本は先進国で唯一市民がインターネットにアクセスできない社会になっていたのではないかと思います。なにしろ、先進国では珍しい、iTMSにアクセスできない社会ですから。

おおや さんのコメント (2005年7月 6日 15:36):

>小倉先生
うん、その、ありがちな詭弁ですね。
有用性が高ければ違法性が高い行為であってもやってしまって構わないと弁護士として主張されているのですか? とか言うのはやめておきます。現実問題として事後に追認が得られれば問題ないわけだし、世論がその後押しをすることは十分に考えられる。それが成立することに賭けるという選択肢は、法的にはともかくビジネスとしては十分にアリでしょうから。
しかし問題はその追認や後押しをする世論が得られるかという点にあり、現に得られなければ違法行為、得られる可能性が低いのに押し切ったということなら愚行に過ぎません。その面で言えば合法的な用途での利便性向上を多くの人が理解できたインターネット全体と、その存在すら納得させられなかったファイルローグを一緒にするのは暴論でしょう。エントリで述べたように三つのポイントがあって、そのすべてのチェックに失敗したわけですよね。もちろん実質的な判断が含まれるので意見は割れるでしょうし本来は連続的なものですが、しかしクロに限りなく近い灰色と、シロに近い灰色はやはり違います。それをポラライズした議論を展開しても、普通の人は気付きますよ。
その点、前のコメントで「97%が違法コピーだというのはmp3ファイルに限った数字です。mp3ファイル自体は全体の15%前後しかないので、違法なmp3ファイルは全体の15%くらいしかありません」(全半角を直しました)とお書きなのも、まあ法廷なら結構ですが、勝敗を離れた場ではどうかと思いますね。嘘ではないのですが、じゃあ残り85%のmp3以外のファイルはどうなのか。裁判で争われていないから証拠として出ていませんし、自分で調査したわけでもないから断言はしかねますが、どちらが多いかと聞かれたらはっきりクロに賭けますね、私は。その割合もmp3ファイルとそうたいして違わないのではないかと、もちろん大した根拠はありませんが、そう思います。この思い込みを覆す根拠をお持ちですか?
裁判の際も、JASRAC側の調査が信頼できないという主張はされていましたが、代わりの調査結果であるとか、mp3以外の85%のファイルにおいて合法的な利用法が実質的に存在するという調査を提示されたりはしていないと思うのですが、いかがでしょう。もちろん私が判決を読んだ限り、ということですが。著作権侵害になるようなパターン以外でmp3ファイルの交換をする場合も想定できるとは主張されていましたが、その根拠とか実例というのはどのくらい提示されたのでしょうか。もちろん裁判においてその必要はないのだ、というご反論があるとすればもっともです。相手の請求原因が成立しないことを示せれば良いので、こちらの正当性を積極的に証明する必要はない、のでしょう。しかしここは裁判所ではないのです。もちろん学会でもないのでその流儀を遵守していただく必要もありませんが、積極的にデータを改竄した場合だけではなく、自らの主張に不利なデータを隠蔽したり、それに言及しないというだけで不適切な取り扱いに該当するというのが我々の考え方ですから、ご参考までに。
「先進国では珍しい」というのも、まあ小倉先生の先進国の定義によるわけですが、確かにG7では日本だけですね(そろそろ初めるという報道もありますが)。しかしそうなるとベネルクス3国や北欧3国やイベリア半島2国は先進国でないことになります。一方より一般的にはOECD加盟国あたりを想定するのでしょうが、すると日本だけではなくアイスランド・オーストラリア・ニュージーランドもiTMSの利用対象国から外れているのでは。確かに少数派ですが珍しいというほどですかね。正確に言うと日本からでもiTMSって利用できますよね、という話もあるわけですが。

小倉秀夫 さんのコメント (2005年7月 6日 17:48):

 WinMXについては、その利用者につき発信者情報開示請求訴訟を提起した関係で、どのようなファイルが流通しているのかをある程度の調査をしたことはあります(ダウンロードするのは適切ではないと考え、ファイル名のみで大体の内容を推測しただけですが)。すると、もちろん、商用コンテンツのコピーも多かったですが、どうもアダルト系も多いのです。で、アダルト系って中身を見てみないと、法に触れるか否かの判断ってできないのです(中身を見たって、判断に困るものも少なくないですが。)。


>>小倉先生
>うん、その、ありがちな詭弁ですね。

そうでしょうか。

米国での家庭用ビデオ機器についていえば、世論の後押しを受けてコンテンツホルダーから追認が得られたからこれが適法性を確保したのではなく、連邦最高裁がこれを適法としたからこそ適法性を確保したにすぎません。もちろん、テレビ局側が望むとおり、テレビ局側が録画を禁止する信号を送った番組については録画をできなくする仕組みを組み込めばコンテンツホルダーから追認が得られた可能性はありますが、それでは家庭用ビデオ機器としての効用は激減してしまいます。ソニーは結局そのような仕組みを組み込むことなくベータマックスの製造・販売を継続したわけですが、ご存じのとおり、ソニーは連邦高裁では敗訴し、連邦最高裁でも1票差で何とか勝てたということですから、ソニーのこの決断は、おおや先生から「愚行」と評される結論を招いていたとしても不思議はなかったといえます(余談ですが、連邦最高裁はタイムシフト視聴を「フェアユース」と捉えてくれたからベータマックスは生き残りましたが、現在大阪地裁で継続中の「選撮見録」訴訟では、大阪の民放5局は、わざわざ1回分の準備書面を使って、タイムシフト視聴自体が民放の存在基盤を根底から覆すものであるかのごとき主張を行っています。また、加戸守行氏の著作権法逐条講義などを見ると、いわゆるビデオライブラリを作成する目的でテレビ番組を録画することは著作権法30条1項により許される私的使用目的の複製の範囲を超えているとします。そうすると、普通の家庭用ビデオ機器すら、「ほとんど黒」とされるおそれがあったということもできます。)。

獏 さんのコメント (2005年7月 6日 22:44):

下らぬ思いつきにお付き合い頂き、ありがとうございます。
格調高い本筋の議論の中で、ところどころ、おチャラけの議論で、板(?)を汚しているようで心苦しいです。

確かに、フェラーリのオーナーには、事故を回避する強いインセンティブがありますね。
"常に"ルールを守っているフェラーリのオーナーは多分いないと思っており、アウトではないかと思ったのですが、そもそも”常に”ルールを守っているドライバーなんてものが、極端な少数派(いないかもしれない)だといということを忘れておりました。

今回の判決の論理を延長していくと、現に許されている商売で、アウトになるものが出てくると、是非の問題は横において、純粋に面白いな、と思っているのですが、最右翼と思ったフェラーリ(というか超高級スポーツカー一般)の販売がセーフだとすると、新たにアウトになる商売ってないのでしょうか。

おおや さんのコメント (2005年7月 7日 15:53):

>小倉先生
インターネットの話じゃなかったんですか?(笑)
アメリカの裁判所を純粋な司法過程として捉えてよいかという論点もあり得ますが(日本に比べてはるかに政治的影響を受けますから、というのはどちらに対する悪口でもありませんが)、世論による承認というのはそれが圧力となってコンテンツホルダーが追認せざるを得なくなる場合だけではなく、そのような利用が認められる明示的な法改正がなされるというパターンもあり得ます。同じく連邦最高裁が5対4に割れて違憲判決を下していたニューディール諸立法に関しては、1937年以降1人の判事が立場を変えることによって判例が合憲説に転換するわけですが、アッカーマンはこの点に関し、1936年選挙においてF.D.ルーズベルトが再選されたことを新政策に対する民衆の追認が示されたものと理解したからだという趣旨で説明していますね。だから第三の憲法政治だというわけですが、とにかく民主主義社会における最終の審判者は国民であって、裁判についてもそのような民主政プロセス全体の中に位置づけて考える必要があろうかと思います。
その上で、しかし社会の進歩が多くの冒険によって行われてきたということは事実ですが、同じ冒険といっても高度な訓練を積んだ登山家によるエベレスト清掃計画みたいなものから風船おじさんまであるわけです。風船おじさんはまだ自分の生命を賭けただけですが、世の中には他者の生命財産まで巻き込む最悪の冒険というのもあります。清掃計画が社会的に有益であり賞賛されるとしても、だからあらゆる冒険が賞賛されたり許容されたりするべきだという議論にはなりません(「あるxについてyである」から「すべてのxはyである」が導けるわけはありません、だから詭弁と言ったのです)。確かにソニーのVTR発売もバクチであったとは言えるでしょうが、少なくとも5対4に持ち込める程度のバクチではあったわけです。ところで今回のグロックスター事件ですが、9対0ですね。両者を同一視すること自体がソニー的な真の冒険に対する侮辱であるという気がします。

>貘さん
ども。いやまあ、たいていのご商売は「違法だ」という物言いがつかなかったから生き残ってるんでしてね(笑)。でもまあ、「実験用」と称していわゆる合法ドラッグを売ってたり、「観賞用」まじっくまっしゅるーむを扱ってる業者さんなんかが射程に入ってはくるんじゃないですかね。ただモノを扱う商売というのは「中身がなんだか知りませんでした」てえ言い訳が効きにくいわけで、わざわざ行為主体性のところでややこしい議論をする必要がどのくらいあるのか。となるとやはりオンラインの話で、ネットオークション業者あたりが問題になり得るでしょうが、やはり合法的な用途の実質的存在が証明できそうなので、違法用途の押さえ込みをどう実現していくかという自主規制マターで終わっているのではないかと思います。

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