前の記事: I'm Off. << | >> 次の記事: モンゴル出張記(2)
モンゴル出張記(1)
いつもの通り留学生の採用面接のため、モンゴルはウランバートルまで出張してまいりました。今回は、2月17日に開港した中部国際空港からの出発です。9時5分のフライトなので7時に空港に着こうと思うと6時11分金山発の空港特急に乗るためには名古屋大学5時33分発の地下鉄名城線始発に乗らなくてはならず、結局4時半起きです。眠い。
空港行き名鉄特急の特別車(指定席)は、6時の時点ですでに7時半過ぎの便まですべて満席。こんなこともあろうかと京都出張の際に指定券を購入していたので楽々座って空港まで行ける優越感。というか空港特急の混雑はすでに報道されていたので対処しとこうよという話なのですが。
さて空港です。まあその、空港自体は最近の標準的な国際空港という感じで、確かに階段によるアップダウンが少ないもしくはほとんどないのでアクセシビリティは良いなあと思います。ソウルの仁川空港、香港のチュップラックコック空港あたりと比べた場合のもう一つの特徴はターミナルがまっすぐであるということで、つまり曲げると余計な金がかかるじゃねえかというトヨタイズムのなせるわざであったわけですが、これ別に困んねえな、利用者としては。
え〜中部国際空港というと商業施設に人々が押し寄せているというのが注目されているところであるわけですが時間が時間であるだけにほとんど開いていない。まあしかし、そんな需要は一過性のものであって、いくら努力したとは言えレストランで10店舗程度しかないので需要はすぐに一回りしてしまうに決まっている。特に名古屋ではこのあと、中心的繁華街である栄のラシック(三越南館)や名古屋駅前再開発(旧豊田ビル・毎日ビル)など新しい商業施設のオープンが控えているので、そこの需要に依存している限り繁栄は短期的で終わるだろうと予測される。本筋の可能性はそこではなく、国内線と国際線がその場で乗り継げる日本唯一の本格的空港という点にあるのではないか。つまり東京は羽田と成田、大阪は伊丹と関空に国内線・国際線が(ほぼ)分離されていたわけだが、それはこれらの地域の人々にとっては大した問題ではない。なぜなら、単に行先によって利用空港が違うというだけのことだからである。しかし成田や関空を利用して国外に行きたいそれ以外の地域に住んでいる人々にとっては大問題であった。例えば仙台を例に取ると、たまたま仙台空港から便利な国際線が出ていればいいけれども、そうでない限り出国は成田か関空からということになる。しかし仙台からの国内線はほとんど羽田か伊丹にしか着かないので、そこから国際線空港に移動して乗り継ぐだけで数時間を消費してしまうわけだ。成田に新幹線で行く、というのもあまり便利ではなくて、東京駅までの新幹線とそのあとの成田までの移動で同じくらいの時間が必要になるという愚かな事態を招くわけである。
そこで中部国際空港のアピール点というのは、そのような手間が必要ないところにある。つまり中部は多くの国内線を国際線を同時に抱えており、かつそのあいだの乗り継ぎが極めて楽にできるように設計されている。想定されている最低乗り継ぎ時間は60分であり(今のところ国際線同士は60分、それ以外は75〜80分を標榜)、成田の110〜120分(第1ターミナルの国際線間のみ60分)、関空の75〜90分に比べるとこの点に相当力を入れている。つまり単に中京圏の観光客や乗客を呼び込むことだけではなく、今までやむを得ず成田や関空を利用していた首都圏・関西圏以外の地域と海外とのあいだの移動需要を吸収することが中部国際空港の狙いであり、それに成功するかどうかが鍵なのだと、そういうわけであろう。伊丹廃止の失敗で関西国際空港が自爆してくれたことは、中部にとっては天恵のチャンスであったということになろうか。
さてそのような観点で空港を観察すると、しかしちょっとまだ徹底してねえなというか、本格的国際空港としてどうなのか、と思う点はある。特にベンチ。写真は国際線搭乗エリアのベンチだが、アーキテクチャの権力が駆使されて寝転べないようになっていることが見て取れると思う。これは基本的にすべてのベンチがそうなのだが、3席分が仕切りなしにつながっているところはなかった。人間がごろりと横になるためには、まあ足がはみ出るのは甘受するとしても3席分くらいの連続したスペースが必要であるので、まあつまり寝転がるなということなのだろう。しかし国際線対応の本格的24時間空港であるからには転がる人間が出てくるのが自然ではあるまいか。というのは別に夜を空港内で越そうというだけのことではなく、昨年のモンゴル出張における私のように、乗り継ぎの都合で空港内に10時間などということも起きるのであり、そうなるとさすがに寝転がって昼寝くらいしたいよねえと思うわけである。残念ながら中部国際空港ではそのような自由が奪われているわけだ。
正確に言うと、転がるスペースがまったくないわけではない。こちらの写真のようにちょっと広い部分もあるのだが、これ固そうなんだよね、明らかに。先日の東北地方の豪雪のために到着便が遅れて空港内で夜明かしする人が出た、というニュースに付されていた写真でその人々が転がっていたのはこのベンチ、あるいはこれと同様の国内線の方のベンチなのだが、この狭くて固そうなスペースにみんな集まって窮屈そうに丸まっていて気の毒な絵面であった。ちょいと管理可能性の方が行き過ぎていてそういうホスピタリティが不足しているかな、とは思ったことである。
まあとにかく、仁川乗り継ぎでウランバートルへと向かう私です。まともなコーヒーともしばらくお別れになることが困ると言えば困るんですが、それ以外別に懸念材料がないあたりが慣れてきていると言うか何と言うか。
Trackback(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: モンゴル出張記(1)
Write Your Comment