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イヤなものはイヤだと言うこと

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働けば働くほど給料が減っていく症候群(挨拶)。いや天引きされている住民税が増えたのが原因だとはわかっているのですが2年間で3倍になったと思ったら今年は4倍に到達しているわけで。収入も増えたしなとか思って財形の積立額を増やしてしまったりしたせいで来月からは対4月比で5万円くらい手取りが減る計算なんですが本当に俺生活していけるのかな。働けど働けどなほわが暮らし。

えーさて。朝日新聞「コラムニスト」なる早野透氏による「ポリティカにっぽん」と言えば破綻した論理と露骨な政治姿勢でウォッチャーの皆様垂涎の一件になっているわけですが、今回のそれ(多国籍軍参加と「茶色の朝」)がまた痛いので取り上げてみる。

パヴロフ「茶色の朝」を下敷きに、まず、なし崩し的に事態が変化してしまう前に声を上げるべきだと主張する。「人々が日常に追われているうちにいつのまにか茶色の風景に変わっていく恐ろしさ」、だからこの程度ならいいかではなく「嫌なものは嫌だというべきだった」のだと。そこで「いま日本で「茶色の朝」を警告する人はいないのか。/例えば「9条の会」「憲法行脚の会」それぞれの発足はそれかもしれない」と結びにつながっていくわけだ。

痛いの一。「猫や犬は茶色以外はいけないというペット特別措置法」なんて合理性も妥当性もない例の恐怖を言いたてることで、多国籍軍参加という賛否はともかくとして合理的であり得る選択肢を否定した気になっているところ(*1)。まあそれが文章の腕だというところは否定しませんが、「特殊な例を持ち出して一般論を否定しようとする」議論であることは間違いない。

痛いの二。人々が「イヤなものはイヤだ」と言ったらどうなるかという事態への想像力が欠けているところ。そもそも多くの国民が「年金の支給額が減るのはイヤだ」「年金の納付額が増えるのはイヤだ」と言ってきたから年金制度がこんなんなっちゃったんだし、「イヤなものはイヤだ」でいいんだったら「黒いのと一緒に座るのはイヤだ」とか「同性愛者と同じ街に住むのはイヤだ」と言い出すやつが出てくる(*2)。それは正義に反するから認められないと言うんだったら本当はイイとかイヤと言うか言わないかが問題じゃないんだから、その「正義」の根拠と内容を正面から主張すべきだろう。

痛いの三。現在の状況で人々が「イヤなもの」が何なのかということへの想像力が、やはり著しく欠けているところ。まあもちろん、できればイラクに自衛隊を派遣したくないと思っている日本人は多くいるだろうし、憲法9条も実害がなければあのままでいいと思っている人も多い。しかし同時に、外国人犯罪の増加による治安悪化は困るなあとか、北朝鮮に食糧援助をするのはイヤだとか、執行猶予中の犯罪者が選挙に出馬するのはけしからんと思っている人々も多くいる。入港禁止法案がほとんど反対もなく通ってしまう状況というものを考えれば、強いのはむしろそういった具体的な生活の不安なのではないか(*3)。まあそれらの意見が多国籍軍参加反対や改憲反対と相互に排他的なものではないのだが、しかしこの状況で「イヤなものはイヤと言おう」と言ったら勝つのは「草の根ナショナリズム」じゃないんかね。

まあこのあたりが「他者は自分と同じように思っているし、思うべきだ」と考えていそうな雰囲気を伺わせて私に唾棄される原因になるわけですよ。あれだねしかしこの文章も、メディアリテラシーの教材とか、「詭弁の特徴」で分析する教材の例としてはもってこいではないですかね。金払ってこんなものを読まされてるのかと思うと講読紙について深く考え直すところではあるのですが、まあドリンク剤よりは元気が出てくるから、いいか。

ところで私は仕事に対応する給与のもらえない賃金体系がとてもイヤです。いやその、給料は今のままでいいから仕事減らして……

(*1) 私も別に賛成ではない。まあポーカーで言うと「アメリカ追随」という手でさんざチップを積み上げてしまった状態なので、ここでオリて全部諦めるくらいならこのままツッパるという判断は理解できなくはない。
(*2) それは人々の「熟慮ぬきの判断」に依拠しているせいなので、情報提供とか熟慮・討議の機会を十分に提供すれば人々の主張は正義に合致したものになるのだ……ってな議論もあって、まあ「熟慮民主主義」とか「根元的民主主義」radical democracyと呼ばれるものなのだが、どういう客観的な条件で「熟慮があった」と認めるのか(例えば審議時間100時間とか、熟慮したということに多数決で合意が得られたとか)を明示しない限り、それは結局自分の期待する結論が出てくるまで「皆でちゃんと考えなさい」といって学級会を続けさせる教師のようなものではないかという気がするわけである。結局おまえ人の意見聞く気がないんやろと小一時間。
(*3) それが正しい根拠のある不安なのかという点はとりあえず棚あげ。

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Comment(1)

うねうね さんのコメント (2004年7月 3日 01:39):

昇格・昇給(年齢給上昇分含む)しても税金や厚生年金・医療保険で、昨年より毎月万単位で減額ってのは辛い。 民間も変わらんって

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