実はしかし、法華狼氏が自己評価を(さらに)こじらせたかなあと思う点が一つあり、それは氏自身が(今回の)私に対する言及の前提として参照している別のエントリにある。

まず私自身の主観的証言を述べる(読めばわかるように「見ていない」という趣旨なので証拠により裏付けることはできない)。本年8月中旬に法華狼氏は複数回私のtweetを踏まえてエントリを書き、ある意味非常に誠実だと認めるところであるが、はてなIDコールを通じてmentionを飛ばしてこられた。まあしかし正直に言うとその内容とかレベルはごく低いもので、以前にblogでやりとりした際の印象からもまともな対話にはならないと思ったのでごくダメな点のみを適当に指摘し、途中からは見るのも止めてしまった。なので上掲8月18日付のエントリも読んでおらず、昨日初めて目を通した。

というわけで「馬鹿らしいから相手しなかった」が私の本音であるところ、あるいは法華狼氏はおおやがぐうの音も出ないので沈黙してしまったと思ったかもしれず、そのために自分が書いたことは正しかったのだという確信と自己評価を高めてしまったかもしれない(いや彼むかしからそうですよと言う人もいるかもしれない)。なんかそのままにしておいては悪いので、ついでに同エントリの内容をもとにして法華狼氏の読解能力と対話能力に大きな問題があることを指摘し、相手しなかった私の判断が正しかったことについて疏明しておきたい。ポイントは大きく二つ。

確信的誤読犯対応(1)

| コメント(0) | トラックバック(0)

忙しいんだけどなあと思いつつ、こういう「核心的誤読犯」をこれ以上放置してつけあがらせるのもなあと思うので多少書く。また法華狼氏からの言及だが、まずこちらから。北星学園大学の件について私が以下のように述べた点について、さらに下のように評している。

警備のコストを理由にすれば、大学が脅迫に屈することも許容するらしい。しかし非常勤講師に対しては言論で闘うコストを要求するらしい。そのような態度こそ脅迫者の利益になると思わないのだろうか。

新著『自由か、さもなくば幸福か?』(筑摩選書)が刊行されましたので、稲葉振一郎先生にお付き合いいただいて宣伝のためのイベントを開催することにいたしました(というか筑摩書房が計画してくださいました。ありがとうございます)。新年度早々の忙しい時期とは思いますが、皆さまお誘い合わせのうえご来場いただければ幸いです。


2014年4月5日(土) 14時30分開場、15時スタート! 
明治学院大学 白金校舎 1401教室(本館4階)

新世紀の社会像とは?
 大屋雄裕(法哲学者)×稲葉振一郎(社会倫理学者)

 この社会はこれから、どうなっていくのか? 一体いかなる社会が、望ましいのか?
 考えられる未来の社会像として、次の三つがある。
 一つ、安全の保障などを国家に求めたりせず、各人の自力救済が前面化する「新しい中世」。 
 一つ、一人ひとりが好き勝手に振る舞っても、社会全体の幸福が自動的に実現するような社会。
 一つ、誰ひとりとして例外なく「監視される」対象となる、ミラーハウス社会。
 このなかで最も望ましいのは、一体どの社会だろう? 
 『自由か、さもなくば幸福か?』(筑摩選書)を刊行した大屋雄裕氏は、いずれも耐えがたいとしながらも、次善の選択肢として、三つ目の「ミラーハウス社会」が望ましいと結論づけている。なぜならこの社会は「正義」にかなっているし、社会のルールに抵触しなければ、各人は自由な生き方を追求することができるからだ。そう大屋氏は言う。
 ほんとうに、そうなのか? もしそれが「次善の選択肢」であるとして、いかにしてこの社会は実現し得るのか?
 こうしたテーマをめぐって、社会倫理学者である稲葉振一郎氏と大屋氏が徹底討論!
 『自由か、さもなくば幸福か?』にも引用されている、「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこに行くのか」というゴーギャンの問いを、いま、この時代において、改めて探究する試みでもある。ぜひ、ご参集を!

【登壇者紹介】
大屋雄裕(おおや・たけひろ)
1974年生まれ。法哲学を専攻。現在、名古屋大学教授。著書に『法解釈の言語哲学----クリプキから根元的規約主義へ』(勁草書房)、『自由とは何か----監視社会と個人の消滅』(ちくま新書)等がある。
稲葉振一郎(いなば・しんいちろう)
1963年生まれ。社会倫理学を専攻。現在、明治学院大学教授。著書に『リベラリズムの存在証明』(紀伊國屋書店)、『「公共性」論』(NTT出版)、『経済学という教養』(ちくま文庫)、『社会学入門----"多元化する時代"をどう捉えるか』(NHKブックス)等がある。

というわけでやっとのこと新著の刊行にこぎつけました(もちろん私がまとまった原稿を書けなかったせいですが)。内容紹介のつもりで以下に目次を掲げておきます。書店での発売は3月12日とのこと。選書なので置いてある本屋さんが多くないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

大屋雄裕
『自由か、さもなくば幸福か?:21世紀の〈あり得べき社会〉を問う』
筑摩選書、筑摩書房、2014/3。

はじめに
第1章 自由と幸福の19世紀システム
   1 近代リベラリズムと自己決定の幸福
   2 契約自由の近代性
   3 参政権:自己決定への自由
   4 権利としての戦争
   5 19世紀システムの完成:自己決定する「個人」
第2章 見張られる私:21世紀の監視と権力
   1 監視の浸透
   2 情報化・グローバル化と国家のコントロール
   3 「新しい中世」
第3章 20世紀と自己決定する個人
   1 19世紀から遠く離れて:戦争と革命の20世紀
   2 個人と人間の距離
   3 個人の変容への対応
   4 Why not be Perfect:アーキテクチャと完全な規制
第4章 自由と幸福の行方
   1 過去への回帰願望
   2 新たなコミュニティ・ムーブメント
   3 アーキテクチャと「感覚のユートピア」
   4 ホラーハウス、ミラーハウス
おわりに 三つの将来

というわけで出張でロンドンに着いたところなのであるが時差を調整しきれずにこんな時間(現地時間午前4時)に目が覚めたらこういう話を見たので簡単に書く。

つまり(事実上の)イギリス国歌「God Save the Queen」の第3節にある「May she defend our laws/And ever give us cause/To sing with heart and voice」をどう理解するか、という話。

ただまあ、こういう陰謀論者をほっておいても構わないだろうと思う理由もあり、つまりリアリズムと陰謀論の違いについて述べた箇所で繰り返し説明したが陰謀論者の世界には本当の意味での他者がいないので、観点や価値観や考え方の違う相手を説得したり納得させたりするための議論というのをこの人たちが生み出すことはできない。あらかじめ結論を共有し・モノの感じ方において「共鳴」してしまっている人たちが寄り集まってくるということは考えられるのだが、閉じたクラスタを作って内部で反響しているだけなので基本的に無害である(アメリカの民兵集団みたいにそこに武器を足すと危険が生じると思うが、この人たち多分、そういう指向も能力も持ってない)。

なんか反響が耳障りだなあと思ったときに音の届かないあたりまで蹴飛ばしておくというのが個人的に必要なことのすべてであり、なんか若い人がうっかり共鳴してしまってクラスタから出てこれなくなったりしないようにその性質について分析しておくというのが教育者としてやっておくべきことかなと、その程度の話である。しかしその、あれだね、「IDcallとかしてもらわないと気が付かないよ」と言うたら律儀に飛ばしてくるあたり、「トラックバックかなんか送ってくれないと気付かないよ」と言われても陰でもしょもしょ動いてた生き物に比べると法華狼氏には愛嬌があるね。単に《そうするとどうなるか》がわからんだけ、という可能性もあるけど。

さてところでそのような陰謀論の見本がこちらになります。法華狼氏の「[ネット][身辺雑記]もはや人間の言葉が通じない」(12/9)。同氏(12月7日)の「[ネット][陰謀論者]陰謀論を認めさせたい人たち」で紹介されている私のtweetが、強行採決による野党の抵抗増大や支持率低下という代償にもかかわらず政府与党が法案可決を急いでいるのは何故かという問題に対して当事者が合理的に意思決定していると想定するならばこのような可能性があると述べたものであるのに対し、後者エントリのコメント欄で法華狼氏が述べていることはまさに示唆的である......「政党が常に合理性がある行動をとるという前提が間違いですよ」。

まあ要するに《自己と同等だが異なる他者》の存在を想定することのできない陰謀論者の観点からすると自分の信じる結論を共有しない人間は敵なのであり、敵は愚かであるか悪辣な陰謀の駒なのだと推論が展開し、その観点からすべてを説明することになるという典型的なケースだということができるだろう。なおその際、発言を文脈から切り離して「独自の意義」を付与したり客観的な数字を認識することを拒否する、というのも典型的な症例である。

2015年8月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

Recent Comments

Monthly Archive

Webpages

Powered by Movable Type 5.14-ja